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 混乱渦巻き(3/5)



膝をつきながら肩で息をする常闇に対して爆豪は漏らした。



「てめェと俺の相性が残念だぜ…」

「…?すまん救かった」

「俺らが防戦一択だった相手を一瞬で…常闇大丈夫か。よく言う通りにしてくれた」

「障子…悪かった…。緑谷も…俺の心が未熟だった。複製の腕がトバされた瞬間、怒りに任せ黒影を解き放ってしまった。闇の深さ…そして俺の怒りが影響されヤツの凶暴性に拍車をかけた…。結果、収集も出来ぬ程に増長し、障子を傷つけてしまった…」

「そういうのは後だ…とおまえなら言うだろうな」



ムーンフィッシュを倒し、常闇を救け、爆豪と轟の無事を確認した面々は安堵の息を漏らす。
だがそれも束の間、障子に背負われた緑谷が言った。



「そうだ…!敵の目的の一つがかっちゃんと…多分ハルだって判明したんだ」

「多分?」

「ハルの方はハッキリ名前までは言ってなくて…でも青髪のって言ってたから…」

「…あいつ以外青髪はいねーな」



しみじみと呟く轟に緑谷はやっぱり…と不安の色が濃くなる。
黒影の制御で必死になりマンダレイのテレパスを聞けていなかった常闇は緑谷に尋ねた。



「爆豪とハル…?命を狙われてるのか?何故…?」

「わからない…!とにかく…ブラドキング・相澤先生、プロ二名がいる施設が最も安全だと思うんだ」

「なる程。これより我々の任はハルを捜索し見つけ次第、爆豪とハルの二人を送り届けること…か!」

「ちなみにハルはどこだ?緑谷とペアだったハズでは…」

「ハルは……さっきまで一緒にいたんだけど、自分は大丈夫だから救助に行くって別れちゃって…“温冷水”で火事の被害を抑えようとしてたみたいだから火災現場の近くにいるんじゃないかな」



心配そうに眉をひそめる緑谷に気づいた轟は大丈夫だと言わんばかりに肩をポンと叩く。



「……火災現場か…となると施設向かうには遠回りしなくちゃいけないな。敵の数がわかんねえ以上、突然出くわす可能性がある」

「障子くんの索敵能力がある!そして轟くんの氷結…更に常闇が良いなら制御手段を備えた無敵の黒影…このメンツなら正直…オールマイトだって怖くないんじゃないかな…!」



自分を置いて話し合いが進む中、爆豪はハッとなって思わず声を荒らげる。



「何だこいつら!!!!」

「おまえ中央歩け」

「俺を守るんじゃねえ!クソ共!!!」

「行くぞ!!」





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