アトラクトライト | ナノ

 狼煙(2/4)



肝試しスタート地点。
頭から血を流して倒れるピクシーボブを人質にとった敵二人のうち、トカゲのような姿をした男の方が高らかに声を上げる。



「ご機嫌よろしゅう雄英高校!!!我ら敵連合開闢行動隊!!」

「敵連合…!?何でここに…!!」

「この子の頭潰しちゃおうかしら。どうかしら?ねえどう思う?」

「させぬわ。このっ…」



するとトカゲ男はもう一人の敵、マグ姉ことマグネと虎を制止すると生殺与奪は全てステインの主張に沿うか否かで判断すると告げる。
それを見た飯田が保須市襲撃後に多発したステインの思想に当てられた連中の一人かと呟く。
そんな飯田に対してトカゲ男はステインの終焉を招いた人物と言い放った。



「申し遅れた。俺はスピナー。彼の夢を紡ぐ者だ」



スピナーは背負っていた武器を手に取ると頭身に巻かれていた包帯をとる。
するとそこにはステインが使っていたサバイバルを初めとする大量の刃物という刃物を組み合わせて大剣のような形を模した武器が姿を現す。

そんなマグネとスピナーから生徒を守るように虎は更に一方前に出る。



「何でもいいがなあ貴様ら…!その倒れてる女…ピクシーボブは最近婚期を気にし始めててなぁ。女の幸せ掴もうって…いい歳して頑張ってたんだよ。そんな女の顔キズモノにして男がヘラヘラ語ってんじゃあないよ!!」

「ヒーローが人並みの幸せを夢見るか!!」

「虎!!“指示”は出した!他の生徒の安否はラグドールに任せよう。私らは二人でここを押さえる!!」



襲い来るスピナーは虎が相手し、マンダレイはピクシーボブを人質にとっているマグネの動向を見張りつつ後ろにいた生徒たち、中でも委員長である飯田メインに戦闘はせずに施設へと戻るように促す。
施設へと足を進めようとする時、緑谷がマンダレイの方を見て足を止める。
それに気づいたハルは緑谷の肩を掴みながらどうした?と尋ねた。



「先に行ってて…」

「何言ってんだ…!?」

「緑谷くん!何を言ってる!!」

「緑谷!!」

「マンダレイ!!僕知ってます!!」

「!!」







森の中でA組を脅かすために待機していたB組の拳藤、骨抜、小大の三人も周囲の異変を感じていた。
その時、辺りに蔓延しつつある煙によって骨抜が倒れてしまい、それに気づいた拳藤が小大目掛けて個性“大拳”により巨大化させた手で小大を覆う。



「唯!吸っちゃダメ。この煙───有毒!!」



それから倒れている骨抜を小大が背負い、その二人を拳藤が大拳で包み誰かと合流すべく森を走っていると同じB組の鉄哲と塩崎と合流する。
二人とも八百万に作ってもらったというガスマスクを付けているが、塩崎は意識がなく鉄哲に抱えられている状況。
鉄哲は八百万にたくさんもらったガスマスクを拳藤たち三人にも分けた。



「ありがと!早く施設へ戻ろう。敵がどこにいるかもわからないし危ない…」

「いや!俺は戦う。拳藤は塩崎や小大の保護を頼む」

「は!?鉄哲…あんた交戦はダメだって…」

「おまえはいつも物間を窘めるが…心のどこかで感じてなかったか!?A組との差……」

「!」

「俺ァ感じてたよ…!同じ試験で雄英入って同じカリキュラム。何が違う?明白だ!奴らにあって俺たちになかったもの…ピンチだ!!奴らはそいつをチャンスに変えていったんだ!当然だ!」



人に仇なす連中にヒーローがどうして背を向けられる!?



「止めるな拳藤!1年B組ヒーロー科!ここで立たねばいつ立てる!?見つけ出して俺が必ずぶっ叩く!!」

「───…!」





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