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 グッドイブニング(4/4)



「腹もふくれた。皿も洗った!お次は…」

「肝を試す時間だー!!」



嬉しそうに芦戸さんを筆頭とする補習組五人に向かって相澤先生がこころなしか言いにくそうに告げる。



「その前に大変心苦しいが補習連中は…これから俺と補習授業だ」

ウソだろ!!!!

「すまんな。日中の訓練が思ったより疎かになってたのでこっちを削る」

「うわああ!堪忍してくれえ試さしてくれえ!!」



確かにみんな肝試し楽しみにしてたもんな…。
捕縛布に縛られて相澤先生に引きづられて連行されていく五人の姿を直視出来なくて思わず顔を背ける。
五人には申し訳ないけど……せっかくの肝試し!
思いっきり楽しもう…!

肝試しは組ごとに別れて脅かす側の先攻はB組、A組は二人一組で三分置きに出発してルートの真ん中にある名前を書いた札を持って帰るルールみたいだ。



「闇の狂宴…」

「(また言ってる)」



上鳴くんや芦戸さんを初め、賑やかしメンバーがいないからどことなく神妙な空気になっている。
こういう時はハルが率先して場を盛り上げてくれるんだけど……



「…………」

「(…晩ご飯前から元気ないな……)」



合宿も二日目が終了して折り返し。
疲労が溜まってるだろうし仕方ないか。
あれからブートキャンプを続けてて僕は身体をバキバキだけど他のみんなはどんな訓練をしてるんだろう?
それぞれの個性にあった訓練内容になっているんだろうけどちょっと気になるな…後で聞いてみよう。

そういえば二人一組…21人で5人補習だから…。



「ぴったり分けられる」

「!!」



僕の言葉に一番初めに反応を示したのはハルで、感激しながら言葉を漏らす。



「初めて俺ハブられてない…ぴったり収まる…!!」

「確かにハルは入学してから余りもんか三人組の所の割り振りばっかだったね」

「くじでもいっつも余りもんひいてたもんね」

「逆に才能あるよ」



そんなハルは僕とペアで嬉しそうによろしくと笑う姿に僕も笑顔が零れる。
元気無さそうだと心配してたけどそれも杞憂だったみたい。良かった。

こうして肝試しは始まり、どんどんとみんな出発していく。
でも12分後、麗日さんと蛙水さんペアが出発した時に異変は起こった。



「………なあ」

「ハルどうしたの?」

「なんかこげ臭くないか?」



ハルに言われて確かになんだかそんな気もするような……。
だけどそれはピクシーボブを初めとする他のプロヒーロー達も感じていて、マンダレイが森から黒煙が上がっていることに気がつく。

次の瞬間だった。
突然現れた二人の見知らぬ男。



「飼い猫ちゃんはジャマね」



そんな男の持つ武器によって殴打され、頭から血を流し二人の足元で倒れるピクシーボブの姿。
それを見た峰田くんがみんなの気持ちを代弁するように叫ぶ。



「何で…!万全を期したハズじゃあ……!!何で……何で敵がいるんだよォ!!!



倒れるピクシーボブも心配だったけど、マンダレイがやばいと呟いた時僕は気づいてしまった。

彼の───洸汰くんの姿が見えないことに。





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