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 世界一高い壁(3/4)



目の前に立ちはだかるオールマイトの姿に、オーラに気圧されてしまい動けない。
その時、倒れていたかっちゃんが呟いた。



「うるせえ…」

「!?」



オールマイト目掛けて放たれた特大火力の爆破。
流石のオールマイトもその風圧により一瞬宙に浮く。

かっちゃんは立ち上がったかと思うと僕とハルの腕を掴み無理やり立ち上がらせるとゲートめがけて投げるようとする。



「ブッとばす。スッキリしねえが今の実力差じゃ“まだ”こんな勝ち方しかねえ」

「ちょ、待、まさか───」

「っ……死ね!!!」



まさかの掛け声が死ねで驚いたけど爆破の威力を乗せて僕とハルをゲート目掛けて思いっきり投げ込む。

爆破による衝撃で身体が痛む。
でも…さっきのかっちゃんの攻撃でオールマイトが浮いた!
着地までの一秒か二秒…今なら…!!!



「っ!!」



ゴー……



「New Hampshire…SMASH!!!



パンチの衝撃を使ってオールマイトが後ろ向きに飛んでくる。
宙に浮いている状況下では僕に為す術などない。
ダメだと思ったその時、温冷水を使って軌道をかえたハルが僕目掛けて飛び込んでくる。
おかげで僕はオールマイトの攻撃こそ避けることが出来たが代わりにハルの背中へモロに食らってしまいそのまま地面へと叩きつけられる。

一方の僕も攻撃は回避出来たもののゲートにたどり着く前に地面へとたたきつけられてしまう。



「か…は……っ!」

「ハル!!?」

「チッ」

「いやいや、あまいぞヒーロー共!!」

「く……っ!!(いてェ……動けねェ……っ)」



腰にダメージを追ったのかハルはすぐに体制を立て直すことが出来ずにいた。
僕はハルに護ってもらったおかげでダメージはなかったためすぐに起き上がると動けないハルのフォローに向かうべく走った。

その時、オールマイト目掛けてかっちゃんが突っ込んでいく。



「籠手は“最大火力”を“ノーリスク”で撃つ為だ」

「!」

「バカだったぜ。リスクも取らずあんたに勝てるハズなかったわ。……行けデク!!」



オールマイト目掛けて放たれた体育祭で見せた特大火力───!!
これで二度も使っているけれど、恐らくかっちゃんの腕ももう限界に近いはずだ。



「早よしろ!ニワカ仕込みのてめェや動けねェあいつよか俺のがまだ立ち回れんだ!役に立てクソカス!!」



かっちゃんはそう言いながら高火力の攻撃をオールマイト目掛けて連発する。
かっちゃんがスキをつくってくれる今、僕が行かなければ。

倒れて身動きの取れないハルを担いでゲートへと向かう。
こんくらいの距離ならフルカウルの跳躍一回半で…走れ!!

そうだ。
よりゴールに近い僕をオールマイトは無視できない!



「(かっちゃんならそこを…!!)」



想像通り僕たち目掛けてオールマイトが飛び込んでくる。
そんなオールマイトの動きを読んでいたかっちゃんが飛び込んでいきオールマイトの妨害を阻止しようとするが、次の瞬間いとも容易く片手で地面へと押さえつけられてしまった。



「寝てな爆豪少年。そういう身を滅ぼすやり方は───悪いが私的に少しトラウマもんでね」




「あんたコレを褒めちゃいけない」

「こんな破滅的な方法じゃなくてこの子のやれる別の方法を模索しなさい」




押さえつけるオールマイトの腕をかっちゃんが掴む。
そしてまた爆破で攻撃を仕掛けるがオールマイトは全く動じない。
痛みで動きが鈍くなっている左手が見えた。



「早よ…行けやクソナード…!!」



折れて、

折れて、

自分捻じ曲げてでも選んだ勝ち方で、




「それすら適わねぇなんて────…嫌だ………!!!」





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