◎ 話したいことがあるんだ(1/6)
翌日、ハイツアライアンスを見上げながら俺は思わず呟いた。
「でっか……」
クラス皆が入るだけあって想像以上にでかくて綺麗で思わずテンションが上がる。
建築期間3日間って聞いたんだけど一体何をすれば短期間でこんな立派な建物が建てられるんだ?
まあ考えても仕方ないか……うん。
この扉を開ければ中に皆がいる。
いるんだけど……緑谷以外は俺は会うの久々だし、ぼろぼろになったとこもヨダレ垂らして寝てたとこも見られているわけで……。
「(……今更ながらすっごい恥ずかしくなってきた!!!)」
まあ、こんなとこでうろうろしてても仕方ないしなー…覚悟決めて入るか。
でも普通に入るだけじゃつまんないよな。
何かいいネタないかな────…
「……あ!」
◇
ハルが来る時間が近づいてくるにつれて皆心做しかそわそわと落ち着きがないような気がする。
それもそうか。僕は目を覚ましたハルに運良く会えたけど他の皆は家庭訪問や引越しの準備が重なって会えなかったんだ。
「とりあえずハルが入ってきたらこれ鳴らすよ!タイミング合わせてね!」
一人一個クラッカーを持ち玄関を見つめて待機する。
芦戸さんの言う通りタイミングがズレないように…注意しておかないと……。
そんな皆の視線が集まる玄関の扉をコンコンと叩く音が聞こえて一気に皆の緊張感が高まる。
「来た!!」
「皆!慎重に!扉が空いてハルくんの姿が見えたら鳴らすんだ!!」
飯田くんの言葉に皆が頷いた瞬間、ゆっくりと玄関の扉が開かれる。
ごくりと生唾を飲み込む音が響く。
ハルがいつも履いている靴が見えて皆の表情に笑顔が浮かぶがそれは一瞬にして驚きと疑問符へと変わる。
「おいィ!!やけにしけてんなァ!!!」
低くドスの聞いた声と普段とは違って急いでかきあげたのかボサボサに爆発した青い髪。
皆はハル?らしき人とかっちゃんを交互に見ていた。
すると耐えきれなくなったのかかっちゃんが額に青筋を浮かべながら叫んだ。
「
クオリティの低いモノマネすんな!!クソが!!!」
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