◎ いつもの日常へ(4/5)
場面は戻ってハイツアライアンス。
1棟1クラスで右が女子棟、左が男子棟と分かれているが1階は共有スペースとなっている。
部屋は2階から1フロア男女各4部屋の5階建てで、なんとエアコン・トイレ・冷蔵庫・クローゼット付きの一人一部屋の贅沢空間!
部屋割りは事前に相澤先生によって決められており、事前に送っておいた荷解きをしているとあっという間に日は沈んで夜に。
「やっと片付いたかな……」
家から持ってきたオールマイトグッズを飾って…我ながら良い出来だ!
一息つくと僕はスマホを取り出してハルに電話をかけてみた。
出てくれるかなとドキドキしていると何コールか後に聞こえてきたハルの声。
《もしもし。緑谷どうしたの?》
「突然ごめんね。ちょっと一段落したから電話してみたんだけど……忙しかった?」
どうやらハルは荷造りは完了しているらしく大丈夫だよと笑ってくれた。
《寮はどう?いい感じ?》
「共有スペースも部屋も広くてすごいよ!さっき片付けが終わったとこなんだけど…流石に疲れちゃった」
《おつかれさん。引越し大変だもんなー。あんまり遅くまで起きてないで早く休めよ》
「ありがとう」
ハルの話を聞いたところによると今日ハルのおじさんと一緒にお母さんのお墓参りに行ったみたい。
おじさんともたくさん話が出来たみたいで嬉しそうにハルが話してくれるから安心したよ。
「!ハルまだ時間大丈夫?」
《あ、うん》
「ちょっとだけ待っててね」
ハルが目を覚ましてからは家庭訪問や荷造りとバタバタしてしまって、ちょうど目を覚ました時にいた僕以外はまだハルとは話ができてなかった。
明日会えるといえばそうなんだけど……荷解きが終わったら共有スペースに行くって皆言ってたからきっと───!
「お!緑谷部屋できた?」
「うん!」
「女子はまだみたいでさ。くつろぎ中!」
「!緑谷くん電話してるのかい?もしかして………」
「うん。ハルだよ」
「「「!!!」」」
僕がそう言うとそこにいた皆が一斉に集まる。
そして各々が電話越しにいるハルに向かって声をかけた。
「ハル!元気かー!?」
「うわー!久々に声聞いたわ!!」
「怪我の具合はどうだ?」
「オイラの置いた本見たかァ!?見たら早く返せよ!」
「ハルくん!!体調はどうだ?」
「元気そうでよかったよ☆」
《うおっ!?聖徳太子ーー!》
いつもと変わらないハルの明るく元気な声を聞いて皆も安心したのか笑顔がこぼれる。
そうこうしていると麗日さんたち女子もやって来て、僕ら男子と同じように電話に飛びつくとハルへ各々声をかけた。
《皆ありがとな!皆の声聞いたら元気出たわ。また明日からよろしくな》
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