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 始まりの終わり 終わりの始まり(3/6)



時間は遡り───明け方、戦いが終わった直後。
オールマイトの姿を見届けた後、僕らは轟くんたちと合流しかっちゃんを警察に送り届けた。
かっちゃんは何も語ることも無く静かだった。
その時、警察にハルのことを聞くと詳しくは教えてもらえなかったけど無事に保護され病院へ搬送されたとだけ教えてくれた。
落ち着いたら…また会いに行こう。

そして半日以上をかけて僕らは家路を辿った。



「では」

「ありがとうな、みんな」

「お三方!真っ直ぐ帰ってくださいね!?」

「うん。本当にありがとう」

「じゃあ…またな」



別れを言い合う光景はいつもと何も変わらなくて安心した。
だけど確実に“平和の象徴”がいなくなったことによる闇があらゆる所で侵食を始めていた。







《オールマイトの正体》

《もう戦えない体だったことが判明》



テレビの報道やネットニュースを初め、様々なメディアでオールマイトのことが取り上げられた。



「もォ〜何か凄いこと起きてるわ、焦凍お見舞いから連絡を返してくんないわで心配したよ!おかえり!」

「わりィ姉さん…」



家に着くと変わらず迎えてくれる冬美姉さんの姿。
家の奥から聞こえてくる暴れているようなものすごい物音。
あいつ……もう帰ってきてるのか。



「ちょっと前に帰ってきてね…ずっとああなの…」

「…………」



オールマイトが本当に前線に立てなくなったのなら…No.1の地位は────…




「立て。こんなもので倒れていてはオールマイトはおろか雑魚敵にすら…」




嫌な記憶しかなかった離れにある訓練場。
近づくにつれて大きくなる物音とあいつの声。

ずっと憎かった、怖かった。
だけど……俺は変わろうと思えた。




「君の!力じゃないか!!!」

「いいんだよ。おまえはおまえだ」




過去に囚われていて視野が狭くなっていた俺を救ってくれた友達の言葉。
きっと変われるきっかけは誰にも平等にあって、それは思いもよらない時に突然やってくる。




「こんな形で…認めんぞ。認めてたまるか。認めるわけにはいかんのだ………っ!!」

「…………(あんたも…早く気づけよ)」





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