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 備えろ期末テスト(4/4)



「というわけで…諸君らにはこれから二人一組(チームアップ)でここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう!」

「先…生方と…!?」

「尚ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績、親密度………諸々を踏まえて独断で組ませてもらったから発表してくぞ」



今までのロボとの戦闘訓練とは違うプロのヒーローでもある先生たち相手とは…さすが雄英。想像の斜め上をいく。
一体俺は誰とチームアップすることになるんだろう…とりあえずまた余り物になるのは嫌だな……。



「轟と八百万がチームで俺とだ」

「「!」」



相澤先生と二人…。
轟と八百万は推薦入試組だけど普段あんまり一緒にいるところは見ないからどんなチームになるのか気になるところ。
……って、人のこと気にかけてる暇はないか。



「そして緑谷と爆豪」

「デ……!?」

「かっ……!?」

「!(この二人チームなのか!?)」

「と…水科のここだけ三人チームだ。相手は───…」

「私がする!」



俺ら三人の目の前に立ちはだかるNo.1ヒーローの姿。
意外な組み合わせにまさかの演習相手、正直戸惑いは隠せない。



「協力して勝ちにこいよ御三方!!」

「………(協力したいのはやまやまだけど…)」



気まずそうに表情を強張らせたまま見つめ合う緑谷と爆豪。
敵対心を剥き出しにしている爆豪はもちろんのこと、緑谷も口にはあまり出さないものの爆豪に苦手意識を持っているように見える。
二人は幼馴染……今までのやりとりを見るに仲良しこよしというわけではないのは容易に想像がつく。



「…………」



そんな二人を見てどうしたものかと顎に手を当てて思考を巡らせる。

オールマイト相手に各々が攻撃したところでまず勝てない。
俺が緑谷か爆豪と協力するという手もあるけど…残った一人をどう動かすという話にもなるわけで…それに三人で行う想定なのにカバーしきれるのだろうか。
…どう考えてもやっぱり三人での協力が必須。

先生達がさまざまな基準で判断し選ばれたチーム。
きっと俺がこの二人と同じチームになったのにも理由があるはず。



「それぞれステージを用意してある。10組一斉スタートだ。試験の概要については各々の対戦相手から説明される。移動は学内バスだ。時間がもったいない。速やかに乗れ」



ちなみにその他メンバーの組み分けはこの通り。

『校長vs芦戸・上鳴』『13号vs青山・麗日』『プレゼント・マイクvs口田・耳郎』『エクトプラズムvs蛙水・常闇』『ミッドナイトvs瀬呂・峰田』『スナイプvs葉隠・障子』『セメントスvs砂糖・切島』『パワーローダーvs飯田・尾白』

それぞれがチームに分かれて学内バスで移動していくが…



「………………しりとりとかする……?」



俺らの乗るバスはオールマイトが気を使うほど沈黙に包まれていた。








「組の采配についてですが…まず芦戸・上鳴の二人。良くも悪くも単純な行動傾向にありますので…校長の頭脳でそこを抉り出して頂きたい」

「オッケー」

「轟。一通り申し分ないが全体的に力押しのきらいがあります。そして八百万は万能ですが咄嗟の判断力や応用力に欠ける…。よって俺が”個性”を消し、近接戦闘で弱みを突きます」

「意義なし!」

「次に緑谷と爆豪ですが…………オールマイトさん頼みます」

「!」

「この二人に関しては能力や成績で組んでいません…。偏に仲の悪さ!!緑谷のことがお気に入りなんでしょう。上手く誘導しといて下さいね」




「(相澤くん…よく見てるよ君…!)」

「オールマイトナイスアイデア!みんなでしりとりしよう!しりとりの”り”!オールマイトから時計回りな!」



沈黙に耐えきれなくなった俺はオールマイトの提案に乗っかる。
そしてオールマイトをビシッと指差しながら助けを求めるようにしりとりを進めるように促す。



「り…り……りんご?」

「ごーごー…ゴーヤー!次爆豪!”や”な!」

「やるかよクソ」

「文章か…まいっか。緑谷、”そ”な!」

「“そ”んなつもりねえっつーの!無理矢理こじつけんな!!」

「自分で”そ”からつなげるとは…」

「だからやらねーっつってんだろ!!」

「……ふふっ」

「おい。何笑ってんだデク…!!!」

「…………!」




「最後に水科ですが、正直実力に対しては申し分ない。周りのこともよく見ていて気もつかえる。おそらく誰と組んでも上手くやるでしょう。ただ出来るからこそ自分でやってしまう傾向がある…だからこそ緑谷・爆豪チームに入れてオールマイトさんという一人では壊すことのできない高い壁にぶつける」




「(あんなに静かだったのにこんなに賑やかになるとは…)」



それはまるで雲の晴れた青空のような存在。





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