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 君だってわかるだろう(2/6)



事件から翌日の雄英高校には多くのマスコミが押し寄せていた。
そんな中、教師陣は集まり緊急会議を開き、今後の対応について話し合いを繰り広げる。



「敵との戦闘に備える為の合宿での襲来…恥を承知でのたまおう。“敵活性化の恐れ”……という我々の認識が甘すぎた。奴らは既に戦争を始めていた。ヒーロー社会を壊す戦争をさ」

「認識できていたとしても防げていたかどうか…これ程執拗で矢継ぎ早な展開…“オールマイト”以降組織立った犯行はほぼ淘汰されてましたからね…」

「要は知らず知らずの内に平和ボケしてたんだ、俺ら。“備える時間がある”っつー認識の時点で」



校長に続きミッドナイト、プレゼントマイクと発言していく。
事件当時何も知らず呑気に半身浴をしていた自分に不甲斐なさを感じ人一倍落ち込んでいるオールマイトを横目に続いてスナイプが言った。



「襲撃の直後に体育祭を行う等…今までの“屈さぬ姿勢”はもう取れません。生徒の拉致。雄英最大の失態だ。奴らは水科と爆豪と同時に我々ヒーローへの信頼も奪ったのだ」



テレビ、ラジオ、新聞、ネット───様々なメディアを通じて今回の事件は報道され、雄英の非難で持ち切りの状況だった。



「信頼云々ってことでこの際言わせてもらうがよ…今回で決定的になったぜ───」



───いるだろ。内通者。



「合宿先は教師陣とプッシャーキャッツしか知らなかった!怪しいのはこれだけじゃねえ。ケータイの位置情報なり使えば生徒にだって───…」

「マイクやめてよ」

「やめてたまるか。洗おうぜ。この際てってー的に!!」



マイクの発言に空気がピリつく中、スナイプが自分がシロだと、ここにいるモノがシロだと100%証明できるかと問う。
そして続けた。



「お互い疑心暗鬼になり内側から崩壊していく。内通者探しは焦って行うべきじゃない」

「うむむ……」

「少なくとも私は君たちを信頼してる。その私がシロだと証明しきれないワケだが。とりあえず学校として行わければならないのは生徒の安全保証さ。内通者の件もふまえ…かねてより考えていたことがあるんだ。それは……」

《でーんーわーがーーー来た!》



校長の言葉を遮るように鳴り響く着信。
それはオールマイトの携帯からで謝りながら席を立ち上がると電話に出るべく会議室から出ていく。

廊下に出た瞬間、オールマイトの口から思わず大きなため息が零れる。
教え子すら助けられず何が平和の象徴か、何がヒーローか、と後悔が襲い来る中、オールマイトは電話を取ると相手は相澤とブラドキングから調書をとっている塚内からだった。



《思わぬ進展があったぞ!敵連合の居場所、突き止められるかもしれない》



警察側で調査している際、顔中ツギハギの男がテナントの入っていないビルへ入っていたという情報を入手していたが、テナントの保持者に確認すると隠れ家的なバーが入っているとのことで今回の捜査からは無関係だと考えていた。
だが、今回の事件に関与した敵の一人と特徴が一致したため裏が取れ次第カチ込む予定だ、塚内は話した。



《これは極秘事項。君だから話してる!今回の救出・掃討作戦、君の力を貸してくれ!》

「…………」

《オールマイト?》

「────…私は…素晴らしい友を持った……」



オールマイトの周りに煙が上がっていき、マッスルフォームへと変身を遂げると怒りを隠しきれない笑顔で言った。



「奴らに会ったらこう言ってやるぜ……」




私が反撃に来たってね。





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