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 がなる風雲急(4/4)



「氷結攻撃の際に“ダミー”を用意し右ポケットに入れておいた右手に持ってたモンが右ポケットに入ってんの発見したらそりゃー嬉しくて走り出すさ」

「(圧縮して閉じ込める的な“個性”か!!?)くっそ!!!」

「そんじゃーお後がよろしいようで…」



そういってMr.コンプレスがワープへ入ろうとした時だった、横から放たれる一筋の光。
今まで草むらに隠れていた青山が攻撃を仕掛けたのだ。
突然の攻撃に対応しきれなかったMr.コンプレスは“レーザー”が顔面へと直撃するとその衝撃で口に入れていた二つの球体が飛び出し宙を舞う。
青山は続けてハルを担ぐ荼毘目掛けて再び“レーザー”を放つが、それに気づいた野狐が“凝血塊”によって血の盾を作りガードしていく。

その隙を着くと言わんばかりに緑谷、轟、障子の三人は球体と荼毘めがけて飛び込んでいった。



「!!!!」



だが体の限界が来ていたのか緑谷は痛みに耐えきれず辿り着く前に倒れてしまった。
一方の二人、障子は球体の一つを掴むことに成功。
轟ももう一つの球体へ手を伸ばすが届く寸前のところで荼毘の手が伸び、奪われてしまう。
そして荼毘は憐れむようななんとも言えない表情を浮かべながら言った。



「悲しいなあ。轟焦凍」



荼毘は中身を確認すべくMr.コンプレスへ解除するように促す。
突然放たれた青山の“レーザー”に苛立ちながらもMr.コンプレスは指を鳴らして個性を解除する。
すると障子の目の前には常闇、荼毘の目の前には爆豪が現れた。



「問題なし」

「かっちゃん!!ハル!!!」



荼毘に首を捕まれた爆豪は担がれたハル共々ワープへ引きずり込まれていく。



「来んなデク」



ボロボロになりながらも飛び込んでくる緑谷に対してそれだけ残すと爆豪はワープと共に消えてしまった。



「あ…」





止められなかった歩み。

届かなかった手。

取り戻せなかった仲間。





激しい後悔と絶望が襲い来る。





あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!





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