◎ 新たな敵(1/4)
「ハル、フゥ太!大丈夫?」
「葵兄が手を繋いでくれてるから大丈夫だよ」
「…………」
「……ハル?」
避難していく人の流れにそって進んでいく三人。
葵ははぐれてしまわないようにハルとフゥ太の手を握っているのだが、どうも先程からハルの口数が少ない。
突然の爆破に不安を感じているのかと思い葵が顔を覗き込んでみると想像とは裏腹に顔を真っ赤に染めていた。
「は、はひ!?葵さん!!」
「静かだったから気になって…大丈夫か?」
「ハルは大丈夫です!この通り元気はつらつです!!」
「ならよかった」
ムキッと力こぶをつけるような動作をする姿はまさにいつものハルそのもので。
こんな状況下でも変わらないハルに葵は安心してニッと笑いかけた。
するとボッと頭から湯気を出しながら頬を真っ赤に染めてしまう。
「ハル姉本当に大丈夫…?」
「大丈夫です!ノープロブレムです!さあ、お二人共レッツエスケープです!!」
「わっ!あんまり引っ張ると危ないよ!」
「ハル姉ーー!」
◇
場面は変わってツナたちへ。
この騒動の原因である銀髪の男が登場し、本能的にツナたちはヤバい奴が来たと警戒心を強める。
京子とランボ、イーピンはリボーンに誘導されて避難してその場から撤退することに成功。
残されたツナ、獄寺、山本の三人は額に青い死ぬ気の炎を宿す少年と共に銀髪の男が攻撃を仕掛けてきた際にすぐに動けるように構えた。
その時少年はツナに声をかけた。
「すみません。沢田殿」
「え!!?」
「つけられてしまいました」
ツナの名前を知っているがツナ自身出会ったことも無い少年に戸惑っていると額に灯る死ぬ気の炎に気がつく。
「せっかく会えたのに………こんな危険な状態に巻き込んでしまうとは……。あと葵は一緒ではないのですか?常に行動を共にしていると伺っているのですが……」
「え?あ…あの…誰でしたっけ!?」
突然のことに理解が追いついていないツナに気がついていないのか少年は話をどんどん進めていき、しまいには来てほしいとツナの腕を無理やり引っ張りこの場から離脱しようと試みる。
だがそれは叶わず二人の目の前に銀髪の男が立ちはだかった。
「う゛お゛おい。もう鬼ごっこは終わりにしようや」
「ひいい!でたーーっ!!」
「で、何だ?そいつらは?」
「!!?(奴らは沢田殿を知らなかったのか!?しまった!ここはやりすごすべきだった!!)」
「そろそろ教えてもらおうか?」
「!」
刀を構えながら男は一気に距離を詰める。
少年は持っていたブーメンの形をした武器でツナを守るように前に立ち攻撃を受けようとするがそれを買わされてしまい刀が体を切り裂く。
そしてその衝撃で吹っ飛んでしまい建物のガラス扉に叩きつけられてしまった。
そんな少年をツナは気にかけていると男の視線にツナが止まる。
声をかけられただけだったが、男から放たれる殺気と威圧感によってツナは焦りを隠せない。
「このガキとはどーゆー関係だぁ?ゲロっちまわねーとおまえを斬るぜ」
「ひいい!そんなあっ……えと…あの……」
その時男の頭上から降り注ぐダイナマイトの雨。
間一髪のところでダイナマイトの存在に気づき避けたため男にダメージはなかったが背後に感じる二つの気配に気がつく。
「その方に手をあげてみろ。ただじゃおかねぇぞ」
「ま、そんなとこだ。相手になるぜ」
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