◎ 嵐の予感(4/4)
「あっちの方向には10代目が…!」
「はひ!?何事ですか!」
「おめーら大丈夫か!?」
近くにいたハルと山本、フゥ太が二人の元へと駆け寄る。
そしてハルは不安げな顔で葵にしがみつくとつられてフゥ太も同じように服を握ったり葵に体を預けた。
そんな三人をこれ以上不安にさせないと笑顔で大丈夫と声をかけていた。
「そういえば京子ちゃんとイーピンは?」
「イーピンちゃんが喉が乾いたから京子ちゃんと一緒にジュースを買いに行きました」
「てことは…ツナ達と一緒にいるかもだな」
だが先程の爆発音はツナ達がいるであろう方面から聞こえてきており、それに気づいた葵達は顔を青くする。
だが怯えるハルやフゥ太を置いて助けに行けない。
そう思っていた時、獄寺が葵に言った。
「おい」
「!」
「おめーはアホ女とフゥ太を安全な場所まで連れて行け。オレは野球バカと一緒に10代目達の様子を見てくる」
そんな獄寺に続いてわかった、任せろと山本はニカッと笑った。
被害の中心であろうツナ達の所へ行かせるのは少し心配ではあったがハルとフゥ太を放っておけないと思い葵は頷いた。
「ハル、フゥ太。一緒に行こう」
「はい…!」
「うん…」
「獄寺、山本」
「「!」」
「怪我…しないでね」
心配そうな顔を浮かべる葵を見て獄寺と山本は顔を見合わせる。
そして獄寺ははあとため息を吐き、山本はニッと笑いながら葵の頭をわしゃわしゃ撫でた。
「オレらに任せとけ!」
「おめーに心配されなくても大丈夫だっての」
「!」
そんな二人の頼もしい姿を見て葵は笑みを浮かべた。
◇
場面は変わりツナ達のいる屋外休憩スペース。
ツナ、京子、ランボ、イーピンの四人で休憩していると突然付近の建物が爆発しそこから人が飛んでくる。
いきなりの出来事に対応できなかったツナは目を丸くしながら飛んでくる人を受け止めるような形でぶつかり互いに地面へと倒れ込む。
「す…すみませ……!!」
額に青い死ぬ気の炎を灯す少年が謝罪を述べようとした時、ツナの顔を見るや否や大きく目を見開く。
「いててて…」
「……おぬし……!」
「21世紀に……おぬし…?」
「10代目ー!!」
「大丈夫かツナ!!」
「ツナ君大丈夫?」
そんなツナに声をかける京子、そして少し遅れて獄寺と山本もたどり着き声をかけた。
幸いにもかすり傷はあるもののその他大きな怪我は見られず少年の手を借りつつツナは起き上がる。
「う゛お゛おい!!なんだぁ?外野がゾロゾロとぉ。邪魔するカスはたたっ斬るぞぉ!!」
付近の建物の砂埃から現れる一人の男。
長い銀髪が特徴的で左手には平和な並盛には似つかわしくない刀が巻き付けられていた。
男は挑発的に笑いながらツナ達を見下ろした。
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