明日晴れるかな(指輪編) | ナノ

 夜空のボンゴレリング(5/5)



少し強引ではあったものの三人はなんとか京子を言いくるめることに成功し、人目のつかない屋上へと来ていた。
上手く場を切り上げる手伝いをしてくれた葵に了平は礼を述べると次に二人に謝罪を述べる。
どうやら京子はケンカ絡みとなると異常に心配するらしく、その原因は了平の額のキズにあるとのことだった。



「オレと京子がまだ小学生だった頃につけたキズだ」



近所に了平を敵対視する中学生がいたらしく、真っ向勝負では勝てないからと京子を使って自分を呼び出した。
呼び出された場所に行くと何人もの不良が待ち構えており、罠に引っかかった了平は袋叩きにあい頭を割られて重傷を負ってしまった、という過去があったのだ。

あまりにも惨いその光景に葵は眉をひそめ、ツナも顔を青くしながらひいっと声を漏らした。



「京子は未だそれを自分のせいだと思ってるんだ」

「……そんな…京子ちゃん何も悪くないのに……」

「…………それで…」

「なーに。どのみち京子に黙っていても問題ない!」

「「!」」



了平は青々と澄んだ空を見上げながら自信に満ちた表情で一言。



「オレは勝つからな。まかせとけ!」







時は流れて夜。
すっかり日も落ちた中、ツナの部屋には並中に向かうツナ、リボーン、葵、そして────



「お…おいっ。本当にランボもつれてくのかよ!」

「仕方ねーだろ。守護者なんだ」

「いくいく。ランボさんいっとく!」

「コイツ何もわかってねーな」

「何かあったらオレが護るよ。だからランボ、オレの傍から離れないでね」

「葵の頼みなら仕方ないもんねー!飴玉一個で考えてやる!」

「はいはい」



葵は少しだけ困ったように笑いながらポケットの中に入っていたグレープの飴玉をランボに渡す。
するとランボは嬉しそうにそれを受け取り早速食べる呑気なその姿にツナは頭を抱えた。



「で、学校はどーだった?」

「!?」

「ファミリーと会って少しは落ち着いたか?」



リボーンの問いかけにツナはムッとしながら返答する。



「な………ファミリーじゃないし!全然納得してないんだからな!なんでオレがこんな状況に巻き込まれなきゃなんないんだよ!!ほかに強い人いるだろ!?オレじゃなくてもっと強い人なら……」

「……ツナ?」

「……っとにかく!こんなの納得出来ないよ!」

「勘違いすんな。家光はXANXUS達を阻むためにお前にリングを託したわけじゃねーぞ」

「!」



「お前が後継者にふさわしいと思ったから託したんだ」



「……………」



正直そんなの言われても納得できなかった。
ふさわしいって…何を持ってそんなこと言ってんだよ。
リボーンも父さんもろくに説明もしてくれないし、そんな中命懸けの戦いをしろだなんて……無茶苦茶だ。

無茶苦茶だけど────



「……(オレには護りたい人がいる)」



夜の並中に着くとそこには獄寺と山本、了平が既に到着していた。



「遅くなってごめん。ランボがかくれんぼ始めちゃって」

「隠れるの上手で見つけるのに時間がかかっちゃって…」

「10代目をわずらわせやがってアホ牛が!!おめーもガキの隠れ場所くらいさっさとわかれ肋骨!!」

「まーまー」



といいつつも残り雲と霧の守護者二人の姿はなく、葵達もまだ誰が選ばれたのか知らない状況だった。



「し…静かだね…本当に並中でよかったのかな…」

「やつらまだ来てねーのかな」

「とっくにスタンバイしてますよ」



チェルベッロの声が上から降ってくる。
建物の屋根部分にチェルベッロとヴァリアー達は既におり、気配を殺していたため気づけなかったのだ。



「厳正なる協議の結果」

「今宵のリング争奪戦の対戦カードが決まりました。第一戦は───」




───晴れの守護者同士の対決です。





prevnext

back

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -