明日晴れるかな(指輪編) | ナノ

 ヴァリアーの足音(6/6)



声の主に視線を向けるとバジルと付き人と思われる男性を後ろに連れた家光の姿があった。



「ここからはオレが取り仕切られてもらう」

「と……父さん!!?」

「なっ!10代目のお父様!!」

「家光…!」

「て…てめー何しに」



突然の家光の登場に驚いたのはツナ達だけではなくヴァリアー達も同様のようだ。
家光はXANXUSに臆することなく刀を構えるスクアーロを一瞥すると言った。



「XANXUS。お前の部下は門外顧問であるこのオレに剣を向けるのか」



その発言にXANXUSはきっと睨みを聞かせる。
二人の間に流れる殺気をその場にいた全員が感じ生唾を飲み込む。



「今更口出しすんじゃねーぞ家光!!逃げ回るしか脳のない腰抜けが!!」

「なにを!」



スクアーロの挑発に対してバジルは武器を構えながら飛び出そうとする。
だが家光は一切動揺を見せることもなくバジルを引き止めると話を続けた。



「オレは逃げていたんじゃない。9代目からの回答を待っていたのだ。オレは近ごろのお前達のやり方とそれを容認している9代目に疑問を持ってな。9代目に異議申し立ての質問状を送っていた。そしてその回答ととれる勅命が今届いた」



家光の手には2枚の書類がしっかりと握られていた。



「何の話かさっぱりわかんないよ〜っ。つーかなんで父さんが…!?」

「門外顧問。それが家光のボンゴレでの役職だ」



ボンゴレであってボンゴレでないもの。
平常時には部外者でありながらファミリーの非常時においてボスに次ぐ権限を発動できる実質No.2の存在。

門外顧問は後継者選びにおいてボスと同等の決定権、つまりボンゴレリングの半分であるハーフボンゴレリングを後継者に授けられる権限を持つ。
7種あるハーフボンゴレリングは対となる2つが揃って初めて後継者の証であるボンゴレリングになるため、今別々の人間にそれぞれのハーフボンゴレリングが渡されてるため不自然な形状となっており、実質誰も後継者として認められていない状況なのだ。



「ボスと門外顧問が別々の後継者を選ぶなんてめったにあることじゃないけどな」



ツナはバジルからXANXUSはもう一人の家光の付き人から9代目の勅命を手渡す。
書類を開くとオレンジ色の死ぬ気の炎が煌々と燃えていた。
それは9代目の死炎印で本物の勅命である証だった。



「わっイタリア語で書いてある。よ、読めないよ〜〜〜」

「フフ。ようやくするとこう書いてある」



”今まで自分は後継者にふさわしいのは家光の息子である沢田綱吉だと考えてそのように仕向けてきた。
だが最近死期が近いせいか私の直感は冴えわたり、他によりふさわしい後継者をみつけるに至った。

我が息子XANXUSである。
彼こそが真の10代目にふさわしい。”



「なぁっ!?あの人9代目の息子なの!?」

「”だがこの変更に不服な者もいるだろう。現に家光はXANXUSへのリングの継承を拒んだ”」

「!(な…なんで父さん拒むんだよ!あの人たちにあげればいいのに〜〜〜!!)」

「”かといって私はファミリー同士の無益な抗争に突入することを望まない。そこでみんなが納得するボンゴレ公認の決闘をここに開始する。” ………つまりこーいうこった……」




同じ種類のリングを持つ者同士の1対1のガチンコ勝負だ。





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