明日晴れるかな(指輪編) | ナノ

 ヴァリアーの足音(5/6)



「ったく何でアホ牛がリングを〜っ」

「もー大丈夫だぜ」



三人を守るように立つ了平・山本・獄寺の頼もしい姿に葵もツナも思わず安堵し笑みが溢れる。
どうやら先に出ていった家光とバジルが守護者達にこの状況を伝えていて、三人の行動も早かったため大事には至らずに済んだと言うわけだ。



「みんなーっ!!」

「10代目!!と…」

「無事でよかった!」

「おせーんだよ、お前は」



そう言いながら獄寺は葵にデコピンをお見舞いする。
いててとおでこを抑えながら獄寺達を見つめる。
互いに修行をしていたためかみんなと会うのもこのやりとりもなんだか久々な気がして懐かしさすら感じていた。

襲われていたフゥ太達もイーピンが応戦したのか多少かすり傷はあったものの他に大きな怪我はなく胸を撫で下ろした。
だがランボは通常運転でハラが減ったと言いながら地面をゴロゴロと転がっていた。
そんなランボに汚いから止めろと注意しているとツナは頭に光るあるものを見つける。



「おまえこんなところにリングひっかけて…………!(これのせいで狙われてるとも知らずに………)」

「?」

「オレにはまったく理解できないっスよ!なんでこんなアホにリングが…」

「まーまーいーじゃねーか。まずは無事ってことで」

「山本の言う通りだね。一瞬どうなるかと思ったけど…みんなが来てくれて本当によかったよ」

「しかし思ったより骨の無い連中だったな。楽勝だぞ!」



楽観的な発言をする了平に対してリボーンは厳しい言葉を告げた。



「そいつは甘えぞ。こいつらはヴァリアーの中でも下っぱだ。本当に恐ぇのは…」

「!」

「「「「??」」」」

「くるぞ…!」



葵とリボーンが山本が倒した男が飛び出てきた高台の茂みに視線を向けると同時に一人の男が姿を表す。



「…………お前達がやったのか」



男の正体は先ほどの男達の隊長であるレヴィ。
いいしれぬ雰囲気を醸し出すレヴィに緊張感が走る中、レヴィはランボをじっと見つめる。



「雷のリングを持つオレの相手はパーマのガキだな」

「!」



萎縮してしまっているランボを守るように葵は一歩前に出るとランボはガタガタと震えながら葵の足にしがみついた。
そんなランボに対して葵はニコッと笑いながら優しくいった。



「大丈夫だよ。オレらが絶対守るから」



そんな様子を見てレヴィは背中に背負っていた剣に手をかける。
それを見て獄寺、山本、了平もすぐに動けるように体制を整えた。



「待てェレヴィ!」

「「「「「!」」」」」



今にも戦闘が始まりそうな状況下でレヴィを引き止める声が響く。
その刹那、レヴィの背後の茂みからマーモンとマッシュヘアに王冠を被る少年、サングラスをかけ豪華なファーが首元についた服をまとう男と、今いる面々の中でも一際ガタイが良くフルフェイスマスクをつけ表情の読めない男の四人が姿を表す。
同じ赤ん坊であるマーモンとリボーンは黙って見つめ合っており何か因縁めいたものを感じざるを得なかった。



「うわわわ……こ…こんなに……!」

う゛お゛ぉい!!!よくもだましてくれたなぁ。カスども!」



すると奥から数日前に一線交わしたスクアーロも姿を表す。



「で…でたーーーっ!」

「!」

「あんにゃろう」

「雨のリングを持つのはどいつだぁ?」

「オレだ」

「なんだぁてめーか。3秒だ。3秒でおろしてやる」



スクアーロの発言に対して山本はきっと睨みつける。
今にも戦闘が始まってしまいそうな様子にツナが慌てているとスクアーロの肩を掴む一つの手。



「のけ」



あのスクアーロがその男の一言に素直に従い一歩後ろに下がる。
そして現れたのは…



「でたな…まさかまた奴を見る日が来るとはな」

「!あなたは────」

「XANXUS」



他のメンバーとは違う一際強い殺気にツナ達は当てられてしまい腰を抜かしたり、動けなくなってしまう者も現れた。
だがXANXUSは真っ直ぐとツナの方を見ると左手を宙にかざす。



「沢田綱吉…」

「!!」



その左手は眩い光を放つとヴァリアー達も目を見開く。



「まさかボス。いきなりアレを………!!」

「オレ達まで殺す気か!?」

「やべーぞ!逃げろ!

「ええ!?」



「死ね」



その時ツナの前に立つ一つの小さな影。



「!」

「…………」



XANXUSの行動に臆することなく真っ直ぐとした瞳で葵はXANXUSを見つめていた。
そんな無謀とも言える行動にツナは慌てて声をかける。



「な!?葵危ないよ!」

「葵……」

「……久しぶり。XANXUS」

「!?(し…知り合い!?)」

「…………」



依然としてXANXUSはいつでも攻撃を繰り出せる状況のまま二人は黙ったまま見つめ合っていた。
実際の時間は数秒足らずだったがまるで時が止まったかのようにその間長い時間が流れたようにその場にいた全員が感じていた。

そんな時間を切り裂くように飛んできたツルハシ。




「待てXANXUS。そこまでだ」





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