◎ ヴァリアーの足音(4/6)
「ちょっ待てよ〜〜〜っ」
家光の指示を受けて葵達三人も家を出ていた。
いつもよりやけに歩く速度の早いリボーンに葵はひっかかりつつもあえて触れずに黙ってその後をついていった。
「10日後まで来ないって言ってたのに話がちがうじゃんかよ〜〜っ」
「来ちまったもんは仕方ねーだろ」
「ツナ君!葵君!」
突然聞こえてきた聞き慣れた女の子の声。
声のする方に視線を向けるとそこには京子とハルがいた。
どこか心配そうな表情を浮かべている姿に葵がどうしたの?と声をかけると京子がそれに答えた。
「フゥ太君達帰ってる?」
「え…フゥ太達…?」
どうやら二人とフゥ太、ランボ、イーピンの五人で遊んでいたらしいのだが途中ではぐれてしまったらしく、先に帰っていないかと思って確認のために沢田家に向かう道中だったようだ。
だがツナも葵も記憶を辿るが三人が家に帰っている形跡はなかったのでそのことを伝えると京子とハルは不安そうな表情を浮かべながら三人のことを心配していた。
「あいつらなら心配ないよ。腹減ったら帰ってくるって…」
「…………」
そんな二人の不安を払拭するかのようにツナは声をかける。
だがその間渋い表情を浮かべるリボーンに気づいた葵にはあるイヤな予感を感じていた。
「リボーン…もしかして……!」
「ああ。やべーぞ。奴らより早く見つけねーと」
「え、なに!?どうしたの!?」
「とにかく行くぞ。走りながら話す」
「葵さん!?ツナさん!?」
「ごめん!三人はオレらが探すから二人は家に帰ってて!」
突然走り出したリボーンとハルと京子に声をかけながらついて行く葵に驚きつつもツナも慌ててその後を追う。
ひとり状況を掴めてないツナに対してリボーンは衝撃的な言葉を放つ。
「雷のハーフボンゴレリングはランボが持ってんだ」
「なんだって!!ランボが!?なんでだよ!あいつ5歳だぞ!!おバカだぞ!!?」
「いろいろ事情があるんだ」
「そういえばランボってボヴィーノファミリーだったけどボンゴレに入れて大丈夫なの?」
「そんなことしたのは初代くらいだな」
リボーンの話によると初代ボンゴレは気に入った人間はどんな者でも受け入れたらしい。
そのため初代ファミリーは国王・軍人・ライバルマフィア・宗教家となんでもありだったようだ。
だがそれとこれとは話は別でツナは知るかよ!と一蹴する。
こっちがよくてもランボのボスが何と言うかという心配に対して、光栄だと泣いて喜んだらしいとリボーンは返した。
「なっ…」(ガーン)
「
こないでっ」
静かな住宅街に響くフゥ太の声。
「あっちだ!!」
「ちょっ!葵待って!!」
助けを求める声に葵達の走るスピードもどんどん加速していく。
角を曲がるとフゥ太が右にイーピン、左にランボを抱えながら後ろから迫ってくる男から逃げていた。
だがもうすでに距離は詰められてしまっており、葵達が助ける間も無く手に持った武器が振りかざされた時だった。
「がはっ!!」
鈍い音が響いたかと思うとフゥ太達を追っていた男が宙に飛んでいく。
「ボンゴレファミリー晴の守護者にしてコロネロの一番弟子。笹川了平。推参!!!」
「お兄さん!!!(何て派手な登場…)」
「!まだ来るよ」
臨戦体制に入りながら高台の茂みに葵が鋭い瞳を向けると同時にまたしても同じような格好をした男が姿を表す。
男は応戦しようとフゥ太達めがけて飛びかかるがそれは叶わず先ほどの了平のように何者かによって弾かれてしまう。
また別方面の建物の屋上から同じく男が飛び出すがこちらも爆破によって防がれてしまい、あっという間に三人が行動不能へと追い込まれていく。
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