明日晴れるかな(指輪編) | ナノ

 ヴァリアーの足音(3/6)



「(オレが想像は間違いじゃなかったのか…!やっぱりこの人は…)」

「おやかたさま………?」

「はい」

「……父さん?」

「なんだ?」

「親方様?」

「親方様」



にっこりと笑い自身を指差しながら家光は言った。
これにより確信となった事実にツナは頭を抱えながら思わずヘナヘナと地面に崩れ落ちてしまい、慌てて葵は大丈夫!?と声をかける。

そんな二人のやり取りを見て家光はまたニッと笑うとツナに声をかけた。



「ツナ。今は時間がない。後でゆっくり説明する。お前に葵“ちゃん”のこと任せるからな」

「!?今“ちゃん”って…」

「とりあえずこのことは母さんにはナイショだぞ。男と男の約束……な!」



この家光の発言に今度は葵も目を見開き驚きを隠せずにいた。
聞きたいことは山ほどあり声をかけようとするが言葉通り本当に時間がないらしく家光は続けた。



「敵の先行隊はレヴィ・ア・タン雷撃隊。奴らはこちらの雷のハーフボンゴレリングを奪いにくる。しかし雷の守護者はあまりに未熟で心配だ。他の守護者にもコンタクトがとれ次第、救援にいかせるが時間がかかるだろう。お前には直接雷の守護者の元へ保護に行ってほしい」

「そ…そんな…」

「葵ちゃん」

「は、はい!」

「うちのせがれのこと頼むな」



そうニッと笑うと家光はバジルを連れて足速に家から出て行ってしまった。
取り残されたツナと葵は突然のカミングアウトに呆気に取られていたが、はっと我に帰ったツナは頭を抱えながら嘆いた。



「なんだよ!?どーなってんだよ!!どーしよ〜〜!!?」

「とりあえずツナのお父さんの指示に従って動こう」

「葵の言う通りだな。オレらは雷のリング持っている奴の保護に向かうぞ」

「だ……だけど…っ。あ……そーいや雷って……?」







一方のレヴィ率いる雷撃隊達はマーモンの念写が示した地点に到着していた。
だが付近には探しているターゲットの姿はなく、まだ時間は経っておらず近くにいると踏んだレヴィは三人の部下達に探し出すよう指示を出す。
するとその指示を聞いてすぐ三人はそれぞれの方向へ去っていった。

そんな雷撃隊達の様子を見ていたマーモンは近くの家の塀に登りながらレヴィに声をかけた。



「さすが。仕事の速さはヴァリアー1だねレヴィ。君の勤勉さと残虐さがあれば時期ボス補佐も夢じゃないよ」

「そんなものには興味がない。マーモン、おまえは霧のリングの相手を探さないのか?」

「慌てるコジキはもらいが少ないってね。スクアーロの情報じゃ敵はシロウトらしいし、僕は霧のリングの守護者らしくしばらくは高みの見物さ」



じゃあね、とそう告げた瞬間まるで霧のようにすっとマーモンは姿を消してしまった。
それと同時にレヴィの無線が一人の部下の声を受信する。




《レヴィ隊長。こちら01。2時の方向に………幼児を含む子供3名を確認》





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