明日晴れるかな(指輪編) | ナノ

 君に必要なもの(2/5)



葵が出ていった後のツナ部屋。
寝る支度をしながらツナはリボーンへと尋ねた。



「千李さんって葵が手も足も出せないくらい強いの?」

「千李が強えーのは確かだが葵も実力も相当なもんだ。いくら攻撃パターンを熟知されてるとはいえ葵も成長している。手も足も出ねーほどの差はないはずだぞ」



ツナも何度も葵の戦闘を目の当たりにしたことがあったが、あの雲雀すら簡単に押さえ込んでしまうほどで相当実力者だということは知っていた。
だからこそ一日であんなにボロボロになっているのが少し疑問だったのだ。
うーんと悩むツナにリボーンは蹴りを入れる。



「人の心配する前におめーもなんとかしろ。まだ修行の第一段階もクリア出来てねーんだからな」

「いでっ!!?」



目にうっすら涙を浮かべながらリボーンに蹴られた所を摩る。
葵のことも他のみんなのことも心配だったけどリボーンの言う通り自分の修行クリアすらままならない状況下なのも確かで、ツナは皆を信じてまずは自分の修行と向き合うことに決めた。

その様子を見てリボーンはニッと笑みを浮かべる。



「(葵のやつ、千李のことを絶対的な存在だと思ってるが………)」

「んじゃ電気消すぞー」

「すぴー」

「早っ!?もう寝てるし!!!!」







特訓2日目。
昨日と同じく並盛内にある森の中で葵と千李は手合わせを行っていた。
葵は千李の隙をつこうと工夫を見せるが全て読まれ、避けられてしまい結果的には昨日から進歩が見られない状況。

その様子が続き、ついに千李は両手を上げてストップと言った。



「やーめた。ほんとに考えて来たのか?」

「考えてきたつもりだけど…」

「“考えてきた”と“考えてきたつもり”じゃ天と地の差だぞ」



図星だった葵に千李は小さくため息を吐く。



「体術で勝てねーなら他に使えるもん全部使うつもりでかかってこいよ。これから自分より格上の敵と戦う度に無理だって諦めんのか?それで仲間が殺されても良いのか?」

「っ!そんなの嫌だ!」

「だったら頭フル回転させて自分がやれること考えろ。んで出来る出来ないじゃなくてやれ。じゃねーと何も残らねーぞ、葵」




「今後もっと強えー敵とツナ達が対峙することになった時、お前がうじうじしてたら何も残らねーぞ、葵」




「(オレ…リボーンと同じこと兄さんにまた言われてる…)」





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