◎ 再会とリングと(1/6)
「ツナ。それは…スクアーロもボンゴレファミリーだからだよ」
身内に殺されかけた事実を知ったツナは驚きを隠すことが出来ない。
それと同時にどうして仲間同士で争っているのかと疑問が生まれた。
それは葵も考えていたらしく同じように顎に手を当てて頭を悩ませていた。
その時、遠くから聞こえてきたパトカーのサイレンの男。
千李はあららと呟きながら急いで気絶してしまったバジルを担ぐと葵とツナの方へ体を向ける。
「とりあえずその話は後だ。ディーノが廃業した病院手配してくれたからバジル連れてそこに向かうぞ」
「千李さん待ってください!獄寺君と山本は………」
「あいつらなら心配ねーぞ」
リボーンの言葉通り、復活した獄寺と山本が心配そうに二人へ駆けつけた。
怪我はしているものの大したものではなく元気そうな様子に思わず表情がほころいだ。
だがそんな二人とは裏腹にリボーンは冷たく言い放った。
「お前らの戦闘レベルじゃ足でまといになるだけだ。とっとと帰っていいぞ」
「「!」」
「リボーン。なんてことを………」
「一体何があったんだ?」
「行くぞ」
ツナと葵の言葉を無視するとリボーンは二人の手を引いて千李達の後を追って行った。
突きつけられた事実に獄寺と山本は俯き顔をしかめながら立ち尽くしていた。
「獄寺と山本は奴に手も足も出なかったんだぞ」
「!」
「本当はあいつらも感じているはずだ。あれだけ一方的にコテンパンにされて、はらわた煮えくり返ってねーわけがねぇ。ほっとけ」
「「…………」」
リボーンの言葉を聞いてツナと葵は顔を見合わせる。
そして後ろを振り返って獄寺と山本の姿を見るがリボーンの言う通りとても声をかけられる様子ではなかった。
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