◎ メッセージ(1/6)
「ようこそ。エンデヴァー事務所へ」
俺、緑谷、爆豪、轟の四人はコスチュームを持ち集合場所へと向かう。
そこには以外にも笑顔のエンデヴァーが俺たちを迎え入れてくれたかと思ったのもつかの間……。
「なんて気分では無いな」
眉間に皺がより明らかに怪訝そうな表情へ一変する。
「焦凍の頼みだから渋々許可したが!!焦凍だけで来て欲しかった!」
「(ん?)」
「許可したなら文句言うなよ」
「しょっ焦凍!!」
あれ?エンデヴァーってこんな感じだったけ…?
そう思ったのは俺だけではなかったらしく爆豪がゆっくりと口を開く。
「補講の時から思ってたが…きちィな」
「!!(どストレート!!)」
「焦凍!本当にこの子と仲良しなのか!?」
「まァトップの現場見れンならなんでもいいけどよ」
「友人は選べと言ったハズだ!」
どこまでも我が道を行く二人に流石の轟も圧倒されていた。
「許可して頂きありがとうございます」
緑谷…さすが!
良い意味で空気を断ち切られた今が流れを戻すチャンスだ。
「口は悪いですが…爆豪も言っていたようにトップの現場で活動させて頂けて嬉しいです。全て盗んで…自分のモノにしてみせます」
「!(まっすぐなその目……)」
「君もまだ“全てを”失っていない」
「…………」
「?」
「着いてこい」
そう言ってエンデヴァーは俺たちに背を向けて歩き始める。
俺たちはその背中に着いていくことに。
「学ばせてもらいます!」
緑谷がそう言った瞬間、エンデヴァーは視線だけ俺たちに向ける。
そしてまた前に向き直ると呟く。
「焦凍は俺じゃないと言ったな…」
「え」
「?」
エンデヴァーと緑谷の会話に俺たち三人は頭に疑問符を浮かべる。
二人の間にどんなやり取りがあったか確かめる間もなくエンデヴァーが急に策を乗り越えて車道へと飛び出す。
「「「「!?」」」」
「申し訳ないが焦凍以外にかまうつもりはない」
その数秒後にドッと遠くで物音が響いた。
「
学びたいなら後ろで見ていろ!!」
“後ろ”でなんてせっかくインターンに来たのに意味が無い。
俺たちは更に向こうに進むためにここに来たんだ。
「指示お願いします!」
そう思っていたのは俺だけじゃなかった。
各々個性を発動し、必要に応じた最低限のサポートアイテムを着用しながらエンデヴァーの背を追った。
それに気づいたエンデヴァーは目を丸く見開く。
「後ろで!!見ていろ!!」
「“後ろで見ていろ”って」
「着いて行かなくちゃ…見れない!」
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