◎ ヒーロービルボードチャートJP(7/7)
場面は変わりビルボードチャート発表の会場へ。
トップ10ヒーローたちの発表が終わり、ヒーロー公安委員会会長が話した。
《今回このような場を設けたのは節目であると判断したからであります。オールマイトの引退から約3ヶ月。未だアイコン不在ばかりが取り沙汰されておりますが次を担うヒーローたちはここにいます。彼らと共に平和な社会を目指していきましょう》
「……1位ってどんな気分ですか」
そんな会長の話には全く興味ないと言った様子でホークスは隣にいるエンデヴァーに小声で話しかける。
だがうるさいと言わんばかりにエンデヴァーがじっと睨むと、ホークスは口のチャックを閉じるジェスチャーをした。
会長の話が終わるとNo.10から順にコメントが求められた。
皆が平和な社会をめざして素晴らしいコメントをしていく。
だがそんな中、ホークスは退屈そうに、時にしかめっ面を浮かべた。
「続いてNo.4のエッジショット!支持率だけであればNo.3でした……!」
「数字に頓着は無い。結果として多くの支持を頂いた事は感謝しているが名声の為に活動しているのではない。安寧をもたらす事が本質だと考えている」
エッジショットの文句のない完璧なコメント。
だがそれをぶった斬るある男の一言。
「
それ聞いて誰が喜びます?」
静寂に包まれ凍りつく会場。
そんなホークスを見ながらミルコとエッジショットは互いに対照的か表情を浮かべながら言った。
「いいぞ生意気だ!」
「……相変わらず和を乱すのが好きだな」
「我慢が苦手なだけですよ」
そう言いながらインタビュアーのマイクを勝手に取ると、背についた大きな羽を羽ばたかせて飛び上がっていく。
「えーと?支持率だけでいうとベストジーニストさんの休止による応援ブーストがかかって1位。2位が俺、3位がエッジショットさん。で、4位はエンデヴァーさん。支持率って俺は今一番大事な数字だと思ってるんですけど」
「……」
「過ぎたことを引きずってる場合ですか。やる事変えなくていいんですか。象徴はもういない」
「次は……君だ」
「“節目”のこの日に俺より成果の出てない人たちがなァにを安パイ切ってンですか!もっとヒーローらしいことを言ってくださいよ」
ホークス 22歳。
前回のチャートでトップ3入りを果たしたヒーロー。
18歳で事務所を立ち上げ、その年の下半期にはトップ10入り果たしている。
十代でもトップ10入りは史上初。最速最年少。
人は彼を……“速すぎる男”と呼ぶ。
「俺は以上です。さァお次どうぞ。支持率俺以下、No.1」
エンデヴァーの目の前に挑発するようにホークスは降りてくる。
そんなホークスが差し出すマイクをエンデヴァーはひったくる。
ホークスに苦言を呈する者もいるが、言っていることも頷ける、と同意を示す者も。
会場はエンデヴァーが紡ぐ言葉を固唾を飲んで待った。
「若輩にこうも煽られた以上───」
「元No.1ヒーローよ。平和の象徴とは……何だ」
「何の為に強く在るのか。答えはきっとシンプルだ」
「多くは語らん」
「君は君以外の何者もなれない」
「俺を見ていてくれ」
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