アトラクトライト | ナノ

 受け応えろ!インタビュー(4/4)



無事に自分の番が終わってほっと胸を撫で下ろす。
俺の次は緑谷の番か。
そう思ってステージに上がる緑谷を見てみるとその姿に思わず目を見開いた。



「デクくんでしたっけ!?活躍見ました!」

「それは…良かった…良かったです…!」



あまりの緊張にカチコチに固まってしまっており同じ言葉を繰り返すロボットのようになっていた。



「ご自身ではどのようにお考えでしょうか!?」

「それは…良かった…!」

「あいつ俺の“硬化”を!!」

「アガりすぎ。そういえばこういう機会には恵まれてないものね」



確かに緑谷は職場体験やインターンと世間的にも話題となった事件に巻き込まれながらもメディアに露出する機会は全くなかった。
増してやもともと積極的に前に出るタイプでもないからこうやって緊張してしまうのも納得だ。



「あなたの技はオールマイリスペクトが多いように思いましたがやっぱり憧れてる?」

はい!!!

「ここは声でかいんかい」

「でも…それだけじゃダメだと思って自分なりにオールマイトの技をカスタマイズしてみたりもしてます眺えば“デラウェアスマッシュ”はオールマイトのレパートリーに無い州名からつけた技名で最近では訓練の一環をそのまま技にした“デラウェアスマッシュ・エアフォース”────」(ボソボソ)

「ボソボソ長ェ───」



あれだけ緊張してたのにオールマイトの話題になった瞬間、嘘みたいに流暢に喋る緑谷に各方面からツッコミが入る。



「そういえば例の“暴走”。進展があったと聞いたけど大丈夫なの?」



ミッドナイト先生がそう尋ねる。
周りのみんなも気にしていたらしく少し心配そうな顔で緑谷を見ていた。
緑谷はゆっくり目を閉じると右手を宙にかざした。

オールマイトや爆豪と一緒に話したあの日から約2週間。
その間緑谷はいろいろと試していたようだ。
俺はラリアットと再会することもなく特に何も変化はない日常を送っていた。




「9代目にも伝えておいてくれ!心を制して俺らを使いこなせ、とな!」




きっとワン・フォー・オールと同じで出力%をコントロールすることが出来れば“黒鞭”も緑谷の力になってくれるはず。



「(頑張れ緑谷…!)」



みんなが見守る中、緑谷は今だと目を開く。
それと同時に右手からピョロっと“黒鞭”が若干飛び出したかと思うとすぐに塵となって消えてしまった。



「よっしゃ!今はピョロっとですがコントロールの第一歩です。ゆくゆくはこれを───」

「「なにそれ」」



使いこなすにはまだまだ先は長そうだけど…順調に進んでるんだな。
この調子ならきっとすぐに自分の力にしていくだろう。



「ピョロで喜んでんじゃねェ」

「爆豪まーまー。……きっと緑谷なら大丈夫だって」

「フン…」







場所は変わって教師寮の一室。
机の上に置かれている大量の新聞紙と付箋を貼ったノートに向かっているオールマイトに根津は声をかけた。



「また寝ないのかい」

「校長!いえいえ寝てますよ!お気遣いなさらず!」



そういいながら振り返るオールマイトの顔はいつも以上に目の下のクマは濃く頬はコケ、誰が見ても不健康そのものであった。
その様子に流石の根津も心配と共に苦言を呈していたがオールマイトは大丈夫と軽い笑いをこぼす。

“歴代継承者 個性 緑谷少年ノート FIGHT!”と書かれたキャンパスノートを擦りながらオールマイトは口を開く。



「古い時代ですと記録もまばらでして」

「寝ないと毛に悪いのさ」



ところで、と根津は話を区切る。



「報告があってね。近々─────」





インターンを再開させる。





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