アトラクトライト | ナノ

 記念撮影(2/5)



「Zzz…」

「なんでハルはここで寝てんだ?」



あれから時刻は過ぎみんなが起きてきた頃、爆豪と轟を見送ったハルはブランケットに丸まった状態でソファで寝ていた。
それを呆れながら見つめる尾白に気づいた上鳴が部屋から降りてきた飯田と緑谷目掛けて言った。



「おーい。おかん共。また寝落ちしてるぞー」

「「!」」



その言葉を聞くや否や、ハルのおかんこと緑谷と飯田がものすごいスピードでやって来る。
すげーや、と呆気に取られて笑っている上鳴を気にせず飯田はハルの肩を思いっきり揺すり、緑谷はその隣で声をかけ続けた。



「ハル!いつから寝てるの!?風邪ひくよ!!」

「おーきーるーんーだー!!!」

「!!?なっ!?ちょっ…!!うえっ…気持ち悪……」

「飯田、緑谷。そこまでにしておけ」



常闇の言葉に二人はハッとなる。
そして当のハルを見てみると寝起きで思いっきり揺すられたり大声を出されて体がついていってないのか青い顔をして違う意味でソファに倒れ込んでいた。

それを見た口田が声をかけた。



「ハルくん大丈夫…?」

「酔った……気持ち悪い…」

「うわああハルくんすまない!」

「そんなつもりはなかったんだ!み、水ー!」

「緑谷さん!これを!」



八百万が持ってきた水を緑谷伝いで受け取る。
冷たい水が染みて生き返る…。
じゃなくて……



「さむっ」

「雪だーーー!!!」

「心頭滅却乾布で摩擦!!!」



扉を開け放ちながら雪にはしゃぐ面々。
冷気が入ってきてそりゃ寒いわけだ…。



「あれ?梅雨ちゃん────」

「ドア閉めてー。梅雨ちゃん動かんくなった」

「わーごめん梅雨ちゃん」

「そっか。カエルって変温動物だから冬眠しちゃうのか」



うつらうつらと眠りかけている梅雨ちゃんをこのままにしておくのもと思って俺が使っていた毛布をそっとかけておいた。
梅雨ちゃんのことは麗日に任せて、俺も朝ごはんを食べることに。
先に食べていた瀬呂は俺を見るなり口を開く。



「なーハル。あの漫画の続き借りたいんだけどさ」

「悪い。今轟に貸してんだ。もう読み終わってるっぽい様子だったよ」

「そっか。轟たち何時に帰ってくるか聞いてる?」

「6時くらいって」



轟と爆豪は仮免補講の最終日。
今日二人が合格すれば晴れてA組全員仮免取得となる。



「今頃テスト中かねえ。大丈夫かなあ」

「大丈夫でしょ!爆豪くんも最近感じ良いし!悪いけど!」

「ケーキでも作って待ってようか」

「やった!!」

「俺があの2人に唯一勝ってたのが仮免持ちっつーとこだったのになー」



上鳴はしみじみと呟きながらテレビをつける。
テレビではお天気キャスターが日本地図をバックに天気予報を話していた。
どうやらこの地域は今晩まで雪が降り続けるみたいだ。
この様子だと積もりそうだなあ。

そう思いながら味噌汁をすする。
テレビは天気予報から今週のニュースへと移る。



《ライフスタイルサポートメーカー大手“デトネラット社”がヒーローサポート事業への本格参入に踏み切りました》

「…………」(モグモグ)



あのデトネラット社がヒーローサポート事業に本格参入、ね。
ヒーローの活躍が増すと共にこういったヒーロー関係の事業も拡大していくのは自然か。



「ごちそうさまでした」

「ハルー今日何すんだ?今からヒマか?」

「ちょっと自主トレしようと思ってた。どうした?」



峰田は俺の言葉を聞くや否やにやりと怪しい笑みを浮かべる。
すると芦戸もやって来て口を開いた。



「雪合戦しよー!!!」

「雪合戦するのはいいけど……まだ積もってないぞ?」

「あ」

「え」



俺の言葉を聞いた二人は慌てて外を覗き込む。
薄らと地面は白くなっているものの雪合戦するには到底足りない積雪量でがっくしと肩を落とした。



「このまま降れば積もりそうだし、そんときは雪合戦しよっか。チーム分けとかしてさ」

「それ楽しそー!」

「オイラは女子チームに…へへへ」

「峰田、最近隠さなくなってきたよな」



一度部屋に戻って部屋着から体操服に着替える。



「(ヒーローサポート事業…………あ、そうだ)」



ある事を思い出して俺はある人物にメッセージを送る。






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