◎ 新しい力とオール・フォー・ワン(3/5)
時刻は8時。
自主練を終えた俺は寮に戻ってきたけどいつもより騒がしいなと思っているとB組メンバーが遊びに来ていた
俺が帰ってきたのに気づいた飯田が自慢の瞬足でビュンッとやってくる。
「晩ごはんはビーフシチューだぞ」
「やった!B組のみんなも来てたんだな」
「ああ!反省と交流を兼ねて何名か!」
「へえ。なんかこういうの良いな」
「だな。そういえばハルくんのことを鉄哲くんが探していたが───」
「鉄哲が?」
あんまりちゃんと話したことない鉄哲が俺に用事ってなんだろ?
とにかくお腹ぺこぺこだしビーフシチュー食べるか────
「
あー!!」
「!!」(ビクッ)
いきなり大声を出されて驚く俺とは裏腹に鉄哲は満面の笑みを浮かべていた。
「やーっと帰ってきたか!!待ちくたびれたぜ!」
「?」
疑問符を浮かべていると鉄哲の背後から申し訳なさそうに両手を合わせる切島が現れた。
「鉄哲さ格ゲー好きらしくてよ。ハル、ゲーム得意だって言ったら一緒にやりてーって…」
「確かに鉄哲好きそうだな。特にストファイとか」
「よくわかってんな!でもスラブマとかも好きだぜ」
「俺らもみんなでスラブマやるんだけど鉄哲うまいぜ!パワープレイ感否めねえけど…操作がうまいのなんの」
「鉄哲に勝てるやつはいねーよ」
俺らの話を聞きつけた泡瀬と回原が口を開く。
へえと感心していると何故かそんな二人に対抗心を抱かんばかりに瀬呂と上鳴がやって来て言った。
「んなこと言ったらハルも相当うめーぞ。動体視力ハンパねぇのなんの」
「3対1で向かっても勝てねーもんな。ハルに勝てたら相当やべーって!」
「「…………」」
当人たちではなく何故か後からやってきた4人の間に火花が散る。
なんとなくやな予感がしていたけどそれが現実となる。
何も気にしてない鉄哲がどこからともかくゲームを取り出すと無邪気に笑いながら言った。
「とりあえずヤろうぜ!!!」
「いや、俺ご飯食べたいなーとか……」
「1戦だけ!!!頼む!!!」
「…………」
そんな期待した目で言われたらさあ……
「〜〜〜っ1戦だけだからな!!」
やるしかないよな!!
「うおおおお!!!!」
「あーハルすまねェ……」
「と言いつつあいつ嬉しいと見た」
「あ、俺もそー思う。あいつ根はゲーマーだしな」
なんか外野がうるさい気がするけど…気にしない気にしない。
「!鉄哲うまっ!すげえ!!」
「うおおおお!ハルやるな!!!」
「あの鉄哲が押されてる!?」
「こいつらのバトルレベル高すぎだ……うわっ!?なんだそれ!!すげー!!」
白熱したバトルを制したのは────
「ふぃ〜〜ギリギリ勝った!!」
「だああああ!負けた!!」
「でも鉄哲ホントに上手いな!!あの時の攻撃どうやってんだ!?」
「このタイミングでAボタンを────」
わいわいと想像以上に盛り上がってしまい、もちろん1戦だけで終わるはずもなく……。
気づけば切島・瀬呂・上鳴や泡瀬・回原と近くにいたメンバーとも一緒に何戦も対戦していた。
「ここでこうだ!!」
「うわあ!ハル何すんだ!?」
「HAHAHA」
「スキありィ!!」
「あ」
「回原ナイスー!ハル!お前の王権も終わりだ!!」
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