◎ 君の進む先に光あらんことを(4/5)
「「!!」」
燐の背後には切島、円場の背後に砂糖が現れる。
二人を“圧力”で空中へと飛びあげさせたんだけど……
「(!ちょっとブレた!!微修正して────)」
「うわっ!たっけえー!」
「ハル!これアトラクションみたいですげーな!」
「なんでおまえらここにっ!?」
飛び上がった切島と砂糖がそれぞれに飛びかかる。
「くっ(鱗で怯めば…!!)」
「(“空気凝固”でガードすれば…!!)」
近距離で威力が上がっているはずの燐の鱗をものともせず一切怯むことなく切島は“硬化”すると突っ込んでいく。
そしてそのまま燐の鱗の鎧を突き抜けて拳が叩き込まれた。
一方の砂糖も足場のない不安定の中、上から落ちてくる重力を上手く使ってガードに全振りし強度MAXの円場の空気の盾を軽々と砕き切島同様拳を叩き込む。
同時に叩き込まれた二人はなすすべもなく地面へと落下していく。
が、そこには骨抜によって“柔化”された地面があり、二人を包み込むよう受け止め被害を最小限に抑えていた。
「さすが骨抜!柔軟な対応!」
「つーか俺らも落ち────!ないんだなあ…(ホッ)」
二人が落下するよりも先に“ドライアイス”で足場を作ってそこに着地をしてもらう。
その隙に俺は───…
「(まさか俺を無視するとは…二人は受け止めた。固めてしまえば牢に連れていくことはできない。1対3の人数不利な状況だが…今狙うは一人!)」
「(見つけた!!)」
「来たね。でもお見通しだ!」
俺の背後から迫る大きな影が見える。
振り返ると骨抜が予め“柔化”させた配管などが広範囲に渡って崩れ落ちようとしていた。
俺だけなら避ければ良い話だけど……
「!!来るぞ砂糖!」
「ちとデケェけど…任せろ!!」
「(砂糖と切島のいるその位置にも崩れた配管が落下する。さあ…君はどうする!?もし彼らを救けようものならその隙をついて俺が直接仕留め────)」
「(………俺は────)」
「元気とユーモアのない社会に明るい未来はやってこない」
「私に音楽教えてくれてありがとう!綺麗で、楽しくて、私大好き!」
「……ハル…っ」
「(
全部…救けたい!!)」
「「「!!」」」
背後の配管はウォーターカッターで切り刻む。
状況を確認した以降、俺は振り返らなかった。
きっと切島と砂糖ならこの後任せても大丈夫。
だから俺は骨抜を仕留めることに全力を注ぐ!
「そう来るか…!」
「逃がさない!!」
“柔化”した地面に潜って逃げようとする骨抜目掛けて可能な限り増幅させた水を流し込む。
“圧力”と“温冷水”を掛け合わせ水圧を上げることで質量のある物体もある程度操れる…!
「(俺の柔化した地面諸共渦に巻き込むつもりか…!だが柔化を解けば近距離戦で俺に勝ち目は────)」
「あぁぁあああ!!」
「(万事休す…か……)」
ピピー!!
《第7セット終了!投獄数3-0でA組チームの勝利よ!!!》
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