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 君の進む先に光あらんことを(3/5)



開始の合図と共に俺が壁に通っているパイプの上に“圧力”を使って飛び上がる。
俺は高台から索敵しながら、二人は地上で潜伏しながらB組のスタート地点目掛けて走った。



「今回は三人と少数。俺が高台から状況を確認しつつ、二人が潜伏しながら進んで骨抜が“個性”使う前に速攻で決められれば制圧できる」



「っと。全部お見通しだ」

「!」



背後から聞こえてくる円場の声。
“空気凝固”によって空中に足場を作り、更に頭上から俺たちの様子を探っていた。
俺らの姿を捉えると俺らの位置を叫び、骨抜と燐に情報を共有する。

すると切島と砂糖が向かおうとしていた方面の足場が“柔化”によって進むことが困難になってしまった。



「うわっと!」

「切島!砂糖!」

「ハルー!後ろ!」



砂糖の叫びによって俺は瞬時に振り返ると燐の“鱗”が俺目掛けて飛んできていたため、柔化してしまった地面を避けるように飛び上がって回避する。
だがそれを待っていたと言わんばかりに円場が俺の背後に回り込んだ。



「こっちは爆豪と緑谷で懲りてんだ。このチームの核はおまえだ。そのおまえをいち早く制圧する!くらえ!“エアプリズン”!!」

「!!」



“空気凝固”によって形成された空気の箱に俺は閉じ込められる。
閉じ込められた瞬間、周りの音が全く聞こえなくなったってことは…これ防音になってんのか。
それにちょっとやそっとの衝撃じゃ破れそうにないな。



「(よっし!水科確保!!)」

「────!」

「(砂糖と切島が心配そうにこっちみてる……でも俺は────)」



笑って頷く。
“俺は大丈夫だ”って安心してもらえるように。



「(“温冷水”や“ドライアイス”だけならここから脱出出来なかった。でも今の俺には“コレ”がある)」

「(なんであいつあんな余裕ぶって……なんか策があるのか?)」

「(イメージしろ。この牢の中から外に向けて────)」



円場も体育祭の時に比べて強度上がってる。
“個性強化”が活きてるな。
だけど────!!



パリンッ



「なっ!!?」

「(“圧力”かけてやれば割れる。んでもって───)」

「!?」



自分の行きたい方向とは逆向きに“圧力”をかければ空中も移動できる。
“温冷水”でもできた芸当だけど、水を消費してしまうことと放った水の回収など考慮すべきことも多くて…今まで空中移動が正直ネックになっていた。

でも“圧力”をうまく使えば“温冷水”の時に感じていた欠点が補える。
微妙な調整がまだまだだからそこは今後の課題だけども。



「アイヤー…緑谷といい聞いてないって」

「!」



そのまま円場を捕らえようとしたところ、燐の鱗が飛んできて邪魔される。
鱗を避けた隙をつかれて円場は燐の元へ戻り、俺の動向を探っていた。



「あいつ全然空中戦いけるじゃん。どうするよ」

「どうにか水科の注意をひいて骨抜を狙ってる二人のどっちかに攻撃を仕掛けよう。あいつらは空中戦も遠距離戦もできないからな。二人いればさっきみたく一瞬でも隙は生まれるはず────」

「誰が空中戦できねえって?」





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