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 ヒーロービルボードチャートJP(2/7)



「じゃあハルの個性は…“温冷水”と“圧力”。そしてこの二つを掛け合わせて新たな個性“ドライアイス”を発動させているってことになるのか…」

「いやいや。個性の掛け合わせなど可能なのか…!?いやそもそも個性の複数持ちもいないからなんとも言えないが───」



新事実発覚に動揺を隠せない俺たちに父さんは躊躇いながらも言葉を紡ぐ。



《あと気になっていたんだが……ハルの“温冷水”について。これは自分も使っていた個性だからよく知ってるんだけど、ハル。最近雨を操ったんだってね?》

「う、うん」

《どの程度の範囲かはわからないが……降ってくる雨を重力に反してそのまま扱うなんてこと自分には出来なかった。それに増幅量も自分の時より大幅に許容範囲が広がっている》

「つまり…?」

《ハルの譲受はただその個性を横流しするだけじゃなく、親から子へ遺伝する過程のように───個性を進化させる能力があるんじゃないか?》



父さんの発言に全員目を見開いて驚く。
すごい個性だと零す緑谷とは裏腹にオールマイトは眉をひそめて深刻そうな表情を浮かべていた。



「オールマイト?」

「!すまない。考えごとをしていた。タカ。それが本当だとしたら…ハル少年の“譲受”は物凄いぞ。今まで子への継承、もしくは違法薬物以外ではなし得なかった“個性”の強化を実現できるとしたら───」

《ハルが上手く活用する分には別に良い。だがハルに“譲受”し強化させた個性を自身や他人に付与する方法を持つ輩がいたら》

「!個性の付与が可能な人物───」




「君“たち”はよく出来た成功例だ」




「オール・フォー・ワン……!」

「………!」




「それはアレも例外ではない。君らは“個性”と怪我の“譲受”にしか気づいていないが───あれはそんな代物ではない。故に興味深い……僕の体を犠牲にしてまで彼の成長を楽しみにしているんだよ」




「(あいつがタルタロスで言っていたことはこの事だったのか…!)」

《…オール・フォー・ワンはタルタロスに収容されているが敵連合はまだ身を潜めている。個性強化の件はここだけの秘密にしておいた方が無難だね》

「そうだな」

「ああ…」



すると父さんは緑谷の名前を呼ぶ。
いきなりのことで戸惑いながらも緑谷は返答した。



《僕らの勝手な憶測で不安にさせて…巻き込んでしまってすまない。だが…可能性が0ではない限り、君も協力してくれないかな》

「もちろんです。ハルに何かあったら僕が必ず守ります」



真っ直ぐとした瞳を俺に向けながら緑谷は小さく微笑んだ。

数ヶ月前までは俺が守らなくちゃって思ってたのに……随分たくましくなって。
嬉しいような…ちょっと寂しいような。



「まあ個性強化の件はこれで───“圧力”はどうするんだい?」

「発動方法がまだ明確じゃない。今回みたいに暴発したら困るから相澤先生に相談して特訓してみようと思う」

「相澤くんが協力してくれたら安心だな」

《ハル。無理だけはするなよ》

「うん。ありがとう」



その後、相澤先生に少し時間をもらって“圧力”について話した。
特訓には概ね賛成してくれて、安定するまでの間は俺に付き合ってくれることになった。





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