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 過去、そして(2/6)



あれから数日後。
俺たちはいつもの通りに雄英での日々を送っていた。

だけどこの日はやけに朝から目の奥からズキズキと痛くて体調が優れなかった。



「……っつ…」



今まで偏頭痛なんてほとんど起きなかったのに神野以来たまに起きるようになって、花府の一件があってからその頻度が早まっているように感じていた。
でも鎮痛剤さえ飲めば収まる、もしくはましになる事がほとんどだったから特別気には止めておらず、疲れとか溜まってるんだろうってその程度に思っていた。

俺は朝ごはんを食べた後にいつものように鎮痛剤を飲んで学校に向かった。



「……(おかしい…薬飲んでも治まらねえ…頭痛い…)」

「お、おい……ハル、顔真っ青だけど大丈夫か?」



俺の様子がおかしい事に気づいたのか峰田が心配して声をかけてくれた。
ちゃんとありがとうって言いたいのに、それを言う余裕がないくらいの痛みで俺は呟くように峰田に訴えた。



「……頭いてぇ…」

「体調悪いなら早く言えっての!立てるか!?保健室行くぞ!」

「どうした?」



その声を聞きつけたのか飯田が近づいて声かける。



「飯田!なんかハルが頭痛えんだって。こいつがそこまで言うなんてよっぽどだから保健室に連れていこうかと思って」

「そうか。委員長の俺が連れて行くから峰田くんは安心してくれ。ハルくん。一緒に行こう」

「……ごめん…」



飯田に支えられながらゆっくりと保健室に向かう。
保健室につくと飯田からリカバリーガールに訳を話してくれて俺はひとまずベッドで休むことになった。



「相澤先生たちには俺から言っておく。君はゆっくりと休んでくれ」

「ありがとう…」

「!」



飯田は小さく笑った。



「どういたしまして。俺からも言わせてくれハルくん。ありがとう」

「……?」



突然のお礼に思わず俺は首を傾げる。
それを察したのか飯田は言葉を紡いだ。



「君が俺たちを頼ってくれるようになっていて嬉しいんだ。これからも何かあったら必ず頼ってくれ。俺たちは仲間……いや、友達だからな」

「………飯田」

「ん?」

「ありがとう」

「……ああ!早く元気になってくれ」





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