◎ 彼は何故立ち続けたか(6/6)
どこで間違えたんだろうか。
気づいた時にはもう何も無かった。
「─────」
一番初めに声を忘れて、
次に顔を忘れた。
どんなことを話していたのか、
どんな表情を浮かべていたのか、
もう何一つ思い出せない。
「俺がヒーローを目指した理由?」
「はい。デーマンドにも聞いたんですけど…」
「…………」
そして、
「内緒」
「ええー!?」
「……君が立派なヒーローになったら教えてあげるよ。ハル」
この世界には答えを導き出すには難解なことが多過ぎた
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