◎ 彼は何故立ち続けたか(3/6)
俺ね、見てたんで知ってたんですよ。
本気で超えようなんて人は一人もいなかった。
あなただけですよ、
本気で超えようとしていたのは。
「羽。あらかじめ飛ばしときました」
あなたの火力に俺の羽(スピード)を上乗せする!
背中を押しますよNo.1────!!
◇
No.1とNo.2のコンビネーション攻撃を受けてもなお脳無は倒れない。
だがそれに抗い続けるのは────
《…エンデヴァー戦っています》
「───親父…っ」
《身をよじり…足掻きながら!!》
「
見てるぞ!!!」
その時エンデヴァーがホークスの羽を利用しながら高く高く飛び上がっていく。
人も建物も気にすることのない上空へ…!
《
おおおおおおおおおお!!!“PLUS ULTRAプロミネンスバーン”!!!》
今まで見たことの無い火力で脳無を自身もろとも炎で焼き尽くす。
昼間にも関わらず辺りを一段と明るく照らすほどの凄まじい威力だった。
焼け焦げた脳無と共にエンデヴァーは地面へ落ちていく。
近くにいたヒーローたちが受け止めようとするが大きな音ともに砂埃が巻き上がり二人の姿が見えなくなる。
誰もがエンデヴァーの行く末に注目する中、砂埃が晴れていったその先には二本足で立って右手を高々と掲げるNo.1ヒーローの姿があった。
《立っています!!勝利の!!いえ!!“始まりの”スタンディングですっ!!!》
その姿がテレビに映し出されるや否や隣にいた轟が地面にしゃがみこむ。
そんな轟と同じよう俺もしゃがむと肩に手を乗せた。
画面の向こうの人々も俺たちA組もエンデヴァーの勝利を称え、祝福ムードだったが────
《ちょーっと待ってくれよ。色々想定外なんだが》
「!(この声…!)」
一変。
《まァとりあえず初めましてかな?エンデヴァー》
「敵連合の…荼毘……!!」
prev|
next