アトラクトライト | ナノ

 彼らの日常(4/8)



おい。

聞こえるか。


俺は…………



「あいつみたいに全部救けたいんだ」

《…………》



おまえのことも見放したりしない。



《………余計なことすんな。お前に何ができんだよ。触発されたか?お前は何者にもなれねェし、何もできねえよ。夢見んのは夜だけにしとけ》

「………そうだよ。俺は無力だ」

《だったら─────》

「でもそこで立ち止まったらそれこそ何もない。可能性が1%でもあるならそこに賭けてやる。全部救いあげてやるさ」

《…馬鹿だろ。黙ってたら助けが来る。それまで大人しくしとくのが得策だろ》

「かもな。でも生憎待つのは嫌いなタチでな」



だからこの手に触れてくれよ。
伸ばしてくれるだけでもいいさ。



「ほんの少しだけで良い。俺を信じてくれるなら……そばに来いよ」



そうしたら…絶対にその腕を掴んでやる。

昔憧れたあの世界で一緒に生きていこう。



《…………っ》

「!」

《─────》




うるせえよ。





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