◎ 許されざる者(3/10)
エンデヴァーからの発せられたエンデヴァーの本音。
それを聞いた夏雄さんの目から溢れていた涙がこぼれ落ちる。
「…体の良いこと言うなよ…!姉ちゃんすごく嬉しそうでさぁ…!でもっ……!あんたの顔を見ると……思い出しちまう。
何でこっちが能動的に変わらなきゃいけねんだよ!償うってあんたに何ができるんだよ!」
「考えていることがある」
エンデヴァーが言葉を紡ごうとした時だった。
「
あああああ!やめろォォオオオ!!エンデヴァァァァアアア!!」
「!おい」
「
何だその姿はぁああああ!!やめてくれええ!!猛々しく傲慢な火!!眩い光!俺の希望がぁあやめろぉ!消えちまうう違うやめろおお!!」
「!」
叫ぶ敵の声の隙間から響くパトカーのサイレン。
通報を受けた警官の到着により、敵は警察官へ身柄を受け渡され、近辺の整備も迅速に行われ事件は終息に向かった。
夏雄さんは自分を助けてくれた爆豪へ声をかけた。
「ありがとう。えっと…ヒーロー名…」
「ああ?」
「バクゴーだよね」
緑谷の言葉に爆豪は小さく答える。
「…違ぇ」
「!」
「え!?決めたの!?教えて!」
「言わねーよ。てめーにはぜってー教えねぇくたばれ!」
「俺はいいか?」
「だめだてめーも!」
「じゃあ俺が聞いてやるから言ってみ?」
「うるせぇ!上から目線爆破すんぞ!先に教える奴いんだよ!」
そんなやり取りをして、俺たちは夏雄さんと別れエンデヴァーに学校へ送ってもらうことに。
新しく手配された車に乗り込もうとした時、俺は夏雄さんに引き止められる。
「ハル!」
「!」
「…今日は姉ちゃんのごはん食べに来てくれてありがとう。あと……これからも焦凍と仲良くしてあげて。年末帰省した時に焦凍が嬉しそうに話してたんだ」
「焦凍は学校で誰と仲良いんだ?」
「1年A組はみんな優しいよ。その中でもハルと緑谷と飯田は一緒にご飯食べてる」
「へえ」
「ハルは…俺の知らないことをいっぱい共有してくれる。俺を新しい場所にいつも連れてってくれるんだ」
「……!」
「え…」
「焦凍のことこれからもよろしく」
「…もちろんです!また夏雄さんや冬美さんにも会いに来て良いですか?」
「ああ。待ってる」
俺たちはそう言って笑いあった。
「なにチンタラしてんだ」
「ごめんごめん」
「夏兄と何話してたんだ?」
「……内緒」
「?そうか」
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