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 地獄の轟くん家(7/7)



「「「!」」」



まさかその話題がここで出てくるとは…と緑谷たちは内心どう切り返すか慌てていた。
だけど意外にもハルはさらっと答えた。



「母さん4年前に亡くなってるんです。伝えるタイミングがなくてすみません」

「やだ、そうだったの…!私ったら────」

「いえいえ俺が先に言ったら良かったんですけど、それこそ轟が言ってたように率先して話すことでもないかなーって」



そう言いながらハルは困ったように笑った。



「もしよかったら母さんに逢いに来てくれませんか?きっと喜ぶと思うので…轟は前に来てくれたよな」

「ああ。俺らみんなでお線香あげさせてもらった」

「そう……。うん、お母さんと夏と一緒にまた行かせてもらうわね」

「その時は俺にラインしてくれたらハルに伝えるから」

「ああ、ありがとな」



その時、エンデヴァーがやって来てそろそろ学校に送る時間だ、と声をかけた。
それを聞くや否やみんな席を立ち、身支度を始めた。

先に出た三人を追うべくハルも部屋から出ようとした時に爆豪が呼び止めた。



「勝手に共感して、勝手に悩むとはどんな立場から見てんだ。テメーがそんな心配しなくても、なんとかすんだろ」

「!……ありがと、爆豪」

「ケッ。はよ行くぞ」

「ああ」



玄関先まで見送りに来てくれた冬美に緑谷とハルは頭を下げた。



「ごちそうさまでした!」

「お料理とても美味しかったです」

「四川麻婆のレシピ教えろや」

「俺のラインに送ってもらうよ」

「学校のお話聞くつもりだったのにごめんなさいね」



冬美、と助手席に乗り込む前にエンデヴァーは声をかける。
そして伏し目がちに優しく言った。



「ありがとう」



そんなエンデヴァーに対して冬美も優しく笑った。
冬美は緑谷とハルを引き止め、笑いながら二人の手を握った。



「焦凍とお友達になってくれてありがとう」

「そんな…こちらこそ…です!」

「俺も焦凍と友達になれて良かったです」



二人は少し恥ずかしげに頬を染めつつ緑谷は少し遠慮がちに微笑み、ハルはニカッと笑った。





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