明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 ツナ暗殺計画(1/5)



小さくなった獄寺は明らかに怪しい人物が電柱に張り付いてこちらの様子を伺っていることに気づく。
そしてリボーンから聞いた情報を照らし合わせ、例の暗殺者であるということを察するとキッと睨みを効かせた。



「(あいつら10代目の命を狙ってやがるな……。そーはさせないぜ、この俺が…!!)」







「やはりあのチビ、我々を見てませんか?」



獄寺の視線を感じた暗殺者2人組の内、1人が不安そうに呟くが片方はそれを嘲笑いながら自信満々に言った。



「おいおい、ヴェルデ様直属の光学迷彩部隊ともあろう者がビビったのか?」

「バカを言わないで下さい。私が一度でも暗殺に失敗した事がありますか?今まで1236回、一度でもこの変死注射をさせなかった事がありますか?」

「ウヒヒ、そーさなぁ。オレ達の去った後に残るのはボスの変死体のみ。部下達は口あんぐり。“何!?何故死んだの?”ってな。」



それを聞くと先程の不安そうな様子とは打って変わって、成功を確信したのか2人揃って高笑いをした。







「ちょ、ごく…じゃなくて君!!何、物騒なもんだしてんの!!」

「電信柱のやつらをぶっ殺してきます!」

「(電柱?)」



ツナに抱かれてじたばたともがいている獄寺が放った言葉に首をかしげならがどうしたんだ?と問いかける。



「獄寺。電柱に何かいるのか?」

「葵!」

「お、お前縮んでるのかよ!?」

「わー!かわいい!」



小さくなった葵を見て3人揃って揃って頬を赤く染める。
そしてツナは京子に獄寺に続き葵のことを葵の従兄弟だと説明した。

どうやら獄寺の話によると電柱に2人組の怪しい男がいるらしく噂の暗殺者だと言うが、ツナは電柱には何もいなくて獄寺の気の所為だと言い張っている。
2人の主張が割れていて葵は混乱しながら呟く。



「暗殺者……?」

「10代目!オレが一人で片付けてきます!」

「ちょっ、ダメだって!!」

「な、何故っスか!?」

「とりあえず獄寺、一旦落ち着こう?」

「うるせえ!10代目の命がかかってんだぞ!?落ち着いていられるか!」



物凄い剣幕で葵に怒鳴る獄寺にツナも思わず獄寺君!と声を上げる。
だが、葵は大丈夫と言わんばかりにいつも通り笑うと真っ直ぐ獄寺を見つめながら言った。



「獄寺の言うこともわかるけど、1回落ち着こう。こんなに慌ててたら見えるものも見えなくなるよ?」

「!」

「そ、そうだよ!1回落ち着いて状況を確認しよ――」



ツナの言葉を遮るように玄関のチャイムが鳴り響く。
誰かと玄関に視線を向けたと同時に山本が現れ、ニッと笑った。



「よ、宿題進んでるか?」



どうやら山本もツナたち同様班のメンバーで宿題を進めていらしく、そのメンバーに他の班の進捗を偵察してこいと言われツナの家に来たのだという。

葵も獄寺も縮んでいるこの状況で山本が来てしまい、タイミングが悪すぎるとツナはガーンとショックを隠せずにいた。



「今日は2階じゃねーの?」

「いや…ちょっと オレも葵の部屋も立て込んでて…!」

「こんな暇あんなら外の敵倒してこい!野球馬鹿が!!」

「ちょ、獄寺!!」



縮んでいて視界に入っていなかったらしくツナ以外の声が聞こえて山本はん?と疑問符を浮かべるが下を向いて2人の姿を見るや否やまるで縮んでいることに気づいていないかのようにいつものように笑った。



「何だ獄寺に笹川も来てたのか。それに葵も居たのかよー」

「(山本…もしかしてオレらが縮んでること気づいてない!?)」

「違うよ、山本君。この子達、葵君と獄寺君のいとこなんだって!ね、ツナ君」

「そ、そう!よく見たら小さいでしょ!?」

「ん?ははっ、良くみりゃそーだな。何か葵と獄寺な気がしたんだよなー」



山本はそう言いながら葵と獄寺を軽々と抱き上げる。
葵は大人しくしているが、一方の獄寺は気に入らないらしく離せと言いつつバタバタと暴れていた。
だが一向に離そうとしない山本に獄寺はパンチを繰り出すが――



「くそっ!何で届かねーんだ!?」

「(自分のリーチ解ってねーっ!!)」

「(もしかして獄寺も自分が縮んでることに気づいてないんじゃ――)」

「あららのら?どこのチビ助達かしら?」





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