明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 新学期(1/4)



春休みが終わり、並中の新学期が始まった。

温かな春の風に吹かれつつふわぁ…と欠伸をする葵とは対照的にツナはどこか神妙な面持ちのまま学校へと向かっていた。
それもそのはず、新学期の一大イベントであるクラス発表が行われるからだ。

そんなツナを見かねて葵はそっと背後に回り込むと肩に手を置きながら悪戯っぽく笑った。



「……ツーナ!」

「わっ!」

「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。一緒のクラスだって!」

「う、うん……」



一瞬表情は解れたものの、やはり心配なのか先程の神妙な面持ちへと戻っていく。

学校について下駄箱に向かうとクラス表が張り出されているのか人だかりが出来ていて、各々がそれぞれの感想を漏らしていた。
ツナは慌ててクラス表を見に行き、葵もその姿を見て小さく笑みをこぼしつつ遅れてツナの元へ向かった。



「(葵や京子ちゃんが一緒でありますように!あと、山本や獄寺君も……!)」

「えっと――山下、山下っと……あった!去年と変わらずA組だ」

「!」



それを聞くや否やツナは慌てて2-Aのクラス表に目を向ける。
上から順に自分の名前を探す間に葵だけでなく、京子や山本、獄寺の名前を見つけるが――



「A組にオレの名前ない……!?」

「!!」



葵も一緒に2-Aのクラス表を見るがやはりツナの名前が見つからない。
それどころかB組、C組にもツナの名前はなく、頭を抱えながら叫んだ。



「うそーー!オレ、留年ーー!!?」

「中学は義務教育だから留年ないはず……見落としてるだけかもしれないし、もう1回探してみよう!」

「そ、そうだよね!あはは……」



気を取り直してもう一度、2人で1人1人の名前を見ていくがやはりツナの名前は見つからない。
前代未聞の留年だと頭を抱えながら落ち込むツナを励ましていると、葵は2-Aのクラス表に書かれたある1人の名前が目に止まる。



「(内藤……ロンシャン?)」



何故か内藤ロンシャンの周りにだけ造花でデコレーションされており、それによって上の人の名前が隠れかけていたのだ。
まさかと思い葵は造花をめくってみるとそこから沢田綱吉の4文字が姿を現す。



「ツナ!あったよ!」

「!!ほんとだ!よかった〜…」

「今年もみんな一緒だね!よろしくな」

「うん!」



ツナが望んでいたメンバーとまた同じクラスになれて安堵の息がもれる。
そして嬉しそうに笑う葵の笑顔につられてツナもニコッと笑った。



「しっかし誰だよ、内藤ロンシャン。脅かしやがって…」



ツナがそう呟いた時だった、背後が何やら騒がしい。



「ロンシャン君!!無事2年に進級おめでとう!」

「まーねまーね!ピースピース!!」


「後ろにいるね…」

「(まさかの本人登場ーーーっ!!)」





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