明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 標的08 お正月(1/5)



「うーん……眠い……」



コタツに潜り込み寝転びながら窓から雪が降る様子を見つめながら目を細める。
そんな葵につられるようにツナも同じようにコタツに潜り込みながら欠伸をひとつ。

つけているテレビは毎年年末にやっている恒例の歌番組。



「最後の方は演歌続きで眠くなっちゃうね」

「演歌は嫌いじゃないんだけどこう続くと…………」

「葵!白目むいてるよ!?」

「はっ」

「ならこれでも見るか」



リボーンは大きなダンボールから『立派なマフィアになる方法 81巻』と書かれたDVDを取り出し2人に見せびらかす。



「ちなみにこれが最新巻だぞ」

「81巻もあるのかよ!?見てる間に年越しちゃうよ!!」

「(一体どんな内容なんだろう……)」



少し興味があった葵はダンボールに入っている10巻を手に取る。
10巻には上手な暗殺方法とサブタイトルが付いていて、そんな様子に葵は苦笑いを浮かべた。

そんな2人に向かってリボーンは時計を指さしながら言う。



「まだ10時半だぞ。お前ら、いつもならまだ起きてる時間だな」

「んな!本当だ…てっきりもっと遅いかと……」

「大晦日ってなんでこんなに眠くなるんだろ……不思議」

「ならこれ飲んでみろ。ばっちり目が覚めるぞ」



そう言いながらリボーンは持っていた熱々コーヒーをツナの顔目掛けてぶっかける。
突然の事でツナは反応できずもろにコーヒーをあび、葵も容赦ないリボーンの様子に驚きを隠せずにいた。



「あっちぃぃぃいいい!!!うぇっ、苦っ!!」

「り、リボーン!?」

「どうだ?目が覚めたか?ちなみにオレ特製のブラックコーヒーだが…お子ちゃまのツナにはまだ早かったか…」

「せめて普通にふるまってあげてよ…ツナ大丈夫?」



葵は心配そうに眉を潜めながら水で濡らしたタオルをツナに差し出す。
少し顔を赤らめながら礼を言いながらそのタオルを受け取る。

確かにリボーンのおかげ?で2人の目はすっかり覚めていた。
年越しまでもう少し時間がある中、葵はある提案を2人に持ちかける。



「そうだ!まだ時間もあるし、みんなでトランプとかしない?ビアンキたちもまだ起きてるだろうから呼んでさ」

「確かにこのままだと暇だし悪くねーな」

「だろ!リボーンにトランプで勝ったことないからリベンジしたいと思ってたんだ」

「え、リボーントランプ強いの?」

「ポーカー、ブラックジャック、大富豪、ババ抜き、7並べ、神経衰弱…数あるトランプ世界大会で優勝してるほどの実力なんだ」

「んな!?(確かに何考えてるか読めないけどそんなに強いのか…!?)」

「負けたやつは罰ゲームだな」

「お前自信あるからってずるいぞ!!」

「あははっ。じゃあ、みんな呼んでくるな」



葵の予想通りビアンキたちはまだ起きており、トランプに誘うと快く了承してくれた。
年末のテレビをBGMに今年もいろいろあったとそれぞれは振り返りながら、笑顔で年明けを待った。



「ツナ…こいっ!!」

「右か…いや、さっき右だったから今度は左…いや、その逆もーー」

「また葵とツナ、あなたたち2人が残ったのね」

「ランボさん眠いもんね〜…」

「♯☆○△×…」

「あらあら。2人とももうおねむね〜」

「おい、早くひけ。駄目ツナが」

「いでっ!!!……よし、これだ!!」

「あ!!」



笑い声が絶えない中、葵は思った。



ーー来年もこんな風に笑い合えると良いな、と。





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