明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 夏祭り(1/5)



ざわざわと夏祭りで賑わう神社の通りではしゃぐランボとイーピンから目を離さないように気をつけつつ、ツナと葵はそんな2人に小さく笑を零した。

一方のランボやイーピンはそんな心配は露知らず、暗い夜に灯る明かりで照らされた屋台の美味しそうな料理や出し物に目を奪われていた。
そんな2人を見かねて葵は1人500円までだぞ〜と声をかける。



「(ちぇっ。夏祭りはガキのお守りか……まあ今年は葵も一緒だから楽しいな)」

「ツナも何か食べたいものあったら言ってね」

「うん。葵も母さんからお小遣いもらってるし遠慮しないでね」



夏祭りが来ると夏が終わるんだなと感じる。
今年の夏も楽しかったな…そう思いながらツナは夏休みにみんなで一緒に過ごした思い出を辿る。

その楽しかった思い出の中にいる自分の隣にはいつも葵が笑っていて、今も隣で笑っている彼女にツナの表情も綻ぶ。



「(また来年もみんなと遊べたら良いなー…)」

「ツナ。あの人だかりなんだろ?」



葵に肩を叩かれハッとすると、指さされた先に視線を向ける。
するとそこには射的屋があってよく知る人物が――



「り、リボーン!?」



マフィア会でも有名な凄腕ヒットマンであるリボーンは景品に弾を当てるだけでは飽き足らず、1発の弾でどういう原理か複数の景品を当てて倒していくという凄技を披露。
周りからもおおーっと歓声が上がる反面、屋台のおじさんはこれじゃ赤字だと泣きながら頭を抱えていた。



「さすがリボーン…!」

「とっとと詰めろよ」

「うぅ……昨日は流行のひったくり犯に売り上げ全部とられるし、今日は今日で〜〜……こんなのって!!」

「「(気の毒すぎーーっ!!)」」



チビ達がいるとはいえ、葵とせっかく何事もなく穏やかに夏祭りを回れると思っていたツナはリボーンに会って面倒事に巻き込まれる前に葵の腕を引きながらその場を離れていく。



「※@#%☆○!!」

「どうしたの?イーピン欲しいものでも見つかった?」



葵の問いにイーピンは嬉しそうにこくりと頷く。

イーピンはチョコバナナが欲しいらしく、早速買いに向かうと屋台ながらもベルギー産のチョコレートを注文を受けてから塗るというこだわりの店らしくツナはへーと声を漏らす。

それからすぐチョコバナナが完成したらしく店員と思われる店奥から少年が現れる。



「ほらよ」

「獄寺君と山本ーーーっ!!!」

「ん?」

「ほんとだ!どうして二人で屋台やってるんだ?」

「じゅっ10代目と葵!」

「よぉ。お二人さん」





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