明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 キャンプ(1/4)



「ずーるーいーでーすー!ツナさん達だけずるいです!!」



沢田家に遊びに来ていたハルがツナから4人で旅行に行き、そのお土産を渡すとムスッとした様子でツナに訴えかけていた。
周りにいたビアンキ達もその話を聞いて頷きながらその話に同意しており、ツナと葵はなんとも言えない申し訳なさを感じていた。



「ハルも葵さんと遊びに行きたいですー!夏休み謳歌したいですー!!」

「全くだわ。そんな話聞いてないわよ」

「べ、別にいいだろ!お土産は買ってきたんだしそれで勘弁してよ」



ツナの言う通り全員分のお土産は買ってきたが、みんな納得いっていない様子。
それを見て葵はみんなでどこか行こうと提案し、各々にどこに行きたいか聞くとハルが嬉しそうに手を上げる。



「はいはい!ハル、キャンプ行きたいです!」

「キャンプ…確かにみんなで行ったら楽しそうだけど準備とか道具の用意はどうするんだ?流石にオレらだけじゃランボたちの面倒は見切れないぞ」

「はひ…確かに――」

「(キャンプ行ってみたかったけどちょっと無理そうなかな。奈々さんに迷惑かけるわけにはいかないし…)」

「なんだ、そんなことか」



諦めムードに入っていた時、リボーンが一言告げる。



「オレに任せろ」

「え!?」







キャンプ当日、ツナたちに沢田家メンバーに加え、ハル、京子、獄寺、山本が集合場所に集まった。



「よ!ツナ、葵」

「誘ってくれてありがとう!楽しみだね」

「こんなに大所帯なんて聞いてねーぞ……いや、10代目のお誘い…断る理由はないけどよ」

「みんな来てくれてありがとな!」

「でもハルたち、泊まりの用意は持ってきましたけど、キャンプの道具とかは全く持ってきてないですけど大丈夫でしょうか?」

「リボーンが任せとけって言ってたけど――」

「あいつが自信満々な時はろくでもない時が多いからな…あれ?そういえばリボーンは?」



集合時間になったにも関わらずリボーンの姿が見当たらない。
おかしいなと思ったその瞬間、上空から物凄い音を立てながら何かが近づいてくる。
それと同時に吹き荒れる突風に飛んで行きそうになるランボとイーピンを葵は押えながら近づいてくる物体に視線を向けるとそこにあったのは――。



「ヘリコプター!?」

「ちゃおっス」



そのヘリコプターから現れる小さな影。
それがリボーンと分かるや否やツナはああー!と声を上げるがそれをお構いなくヘリコプターから綱梯子を垂らしながらリボーンは続ける。



「何ぼさっとしてんだ。早く乗れ」

「意味わからないよ!ちゃんと説明して――」

「よっ。ツナ!葵!」

「ディーノさん!?」



リボーンの後ろからひょっこりディーノが顔を出す。
詳しい説明は後々するから、と説得され全員綱梯子を使ってヘリコプターへと搭乗していく。

ツナは嫌な予感を拭えないままこれから始まるキャンプに不安を覚えていた。







ヘリコプターに乗って数時間後、一行はボンゴレが所有しているという山に下ろされる。
そこにはキャンプ用品が一式用意されており、リボーンはセッティングは各自でやれよと言った。



「「「「ボンゴレ式キャンプ?」」」」

「ああ、そうだぞ」

「ボンゴレ式っていうと嫌なイメージしかないんだけど…(お正月のやつとか――)」

「あはは。今回は借金とかねーから安心しとけ。ボンゴレ式っつってもただキャンプするだけじゃもったいねーから、キャンプしつつお前らを鍛えようっていう寸法さ。な、リボーン」

「つまり…野球部とかでやってる合宿みたいなもんか?」

「そーだな」

「(適当に返事してるな…)」



ツナはヘリコプター内でリボーンやディーノ達との会話を思い出し言い知れぬ不安に襲われる。
一方のハルや京子達を始めとするリボーン達から話を聞いていないメンバーは用意されているキャンプ用品を見て楽しそうにしており、葵はその様子を見て思わず笑みが零れた。



「あれ?」

「どうしたの?ハルちゃん」

「料理する道具はあるんですが食材がなくて――」

「食材は現地調達の予定だぞ」





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