明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 ジョイフル(1/4)



カランカランカラン!



「ペア旅行券大当たり〜!!」

「え、ええーー!?」



並盛商店街では福引をやっており、引換券を持っていたツナがガラガラを回してみる出てきたのは金色の玉。
それが出た瞬間、福引の係の人が鐘を鳴らして大当たりが出たことを知らせるが、理解が追いつかないツナは動揺を隠せずにいた。



「ツナすごい!」

「さすが10代目です!」

「すごいな!ツナって強運なのな!」

「た、たまたまだよ」

「じゃあこれ!ペア旅行券ね」



係の人からペア旅行券を手渡されたことで現実味を帯びてきたのかツナからも笑顔が零れた。
だが、もらったは良いものの誰と行くかが悩みどころ。
せっかくだから葵と――とも思ったが、今は葵、獄寺、山本といるわけだけで葵だけ誘って、他の2人を誘わないのはどこか心象が悪い。

だけど母さんと2人で行くのもなんだか違うし、かといってリボーンたちに譲るのも釈然としない。
どうしたものかと悩んでいると葵が自分の引換券を見ながら言った。



「もしもオレも当たったらみんなで旅行行けるな」

「あはは!確かにな〜」

「ばーか。んなぽんぽん当たりが出るかよ」

「獄寺君の言う通りそんな都合の良いことあるわけ――」



ガラガラを回して出てきたのは――



「「「「!!?」」」」

「お……」



大当たりーー!







ということで連続でペア旅行券を当ててしまったツナと葵はそれぞれ獄寺と山本を誘い、旅行に行くことに。
目的地に向かう新幹線の中で4人は向かい合って座っていた。



「まさか連続で当てるとはお前らすげーのな!」

「本当にビックリしたよ…!」

「まあ、せっかくの夏休みにみんなで旅行行けるなんてラッキーだね」

「けっ……こいつらと一緒なのは気に食わねーが、10代目がそうおっしゃるなら……」

「そうそう。これ持ってきたんだ!」



葵はカバンの中からトランプを取り出し、やろうよと笑う。
無邪気に笑う葵につられてツナや山本も思わず笑顔が零れそれに賛成すると、獄寺もつんけんしつつも10代目がやるなら…と参加することに。

気づけば目的の駅に着いて一同は降車した。
初めて降りる駅が物珍しく辺りをきょろきょろと見渡していると獄寺が案内板を指さしながらみんなを誘導した。



「オレ、ばっちり調べてきたんで大船に乗ったつもりでいてくださいね!」

「ありがとう、獄寺君」

「んで、こっからはどうやって旅館まで行くのな?」

「10代目や葵は旅行券当てたから良いものの、お前も少しくらい調べてこいっつーの」

「まあまあ――で、獄寺どうなんだ?」



獄寺はパンフレットを開き確かめると、どうやら駅から旅館までは結構距離があるらしい。
バスが出ているらしいが本数が少なく、しかもさっき出てしまったばっかりで当分は来ないようだ。
タクシーで行く手もあるが、値が張るのでなるべく使いたくないのが正直なところ。



「歩けない距離ではないけど…」

「ん?」



その時山本はあるものを見つけるとそれを指さしながら笑った。



「おい、みんな!あれで行こーぜ」





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