明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 標的16 お花見(4/5)



シャマルをボコし終えた雲雀はツナ達に向き直るとトンファーを構えながら誰から来るのか好戦的な目を向けながら問う。
ツナはまだやるとも言っていないのに…と慌てていると獄寺が一歩前に出て、ニッと笑いながら自信満々に言う。



「10代目、俺が最高の花見場所をゲットしてみせますよ!」

「でも…獄寺、大丈夫なのか…?(ヒバリさん、容赦ないから…)」

「ハッ。肋骨のおめーとは違ってオレは10代目の右腕だからな!」



不安を抱えたツナは獄寺を止めようとしたが、リボーンにそれを制止され黙って見守ることに。

獄寺はダイナマイトを構えると雲雀に向かって一直線に向かっていった。
その様子に全く焦りどころか表情を変えないまま一言。



「いつも真っ直ぐだね、わかりやすい」

「…………」



向かってくる獄寺に向かってトンファーを振り下ろすが、それを避けると去り際にダイナマイトだけ残していく。
鮮やかな立ち回りにツナ達も驚きを隠せずにいた。



「果てな」



その言葉と共に雲雀の元に落とされたダイナマイトが爆発した。

煙が立ち込めていて何も見えないが、あの爆発の威力ということもあり、雲雀を倒したとみんなが喜ぶ中、葵は声を上げた。



「獄寺!まだ終わっちゃ――」

「で…………続きはないの?」

「!」



煙が晴れたかと思うと、トンファーで爆風を防ぎ、無傷な雲雀が姿を表す。
倒したと思っていた獄寺はその様子に動揺を隠せない。

今度は雲雀が獄寺に向かってトンファーを構えながら突っ込んでいく。



「二度と花見を出来なくしてあげよう」

「なっ…!(やべぇ!)」

「しゃがんで!」



葵の指示通り獄寺はしゃがむと雲雀の攻撃をなんとか避けることには成功したが、その時今回の勝負の敗北条件である膝を着いてしまい、苦い表情を浮かべる。

リボーンが雲雀の勝ちと伝えるが、雲雀は一向に攻撃を止めようとしない。
そしてトンファーが獄寺に向かって振り下ろされようとした時、金属がぶつかり合う音が響く。



「……?(痛く…ねえ?)」

「次、オレな」



トンファーを変形刀で受け止めた山本がニッと笑う。
だが獄寺の勝負に水を差され、かつ攻撃を受け止められた雲雀はムスッと不機嫌そうに口をつぐむ。

ツナは以前、山本のトレーニングの時に渡した野球バットから刀に変形する武器を見て悔いをあんぐり開ける。



「何、物騒なもん渡してんだよ!!」

「いいじゃねーか。結果的には獄寺を護れたんだからな」

「なっ…!そ、それは…そーだけど……」

「確かに山本のあの武器ならヒバリさんのトンファーと相性は良さそうたけど――」



葵の言う通り、山本は雲雀からの攻撃を変形刀で受け止めることが出来ており、これならやり合えそうだと笑みを浮かべた。
だが、それを聞いた雲雀も怪しく笑った。



「どーかな?僕の武器には、まだ秘密があってね」



次に山本の変形刀を雲雀のトンファーを受け止めた時だった、いきなりトンファーから仕込み鉤が現れ、変形刀の刃を捉える。
誰もトンファーに細工がされていることなど予想しておらず、驚きを隠せない。

仕込み鉤に囚われて抜けない刀をひっぱるがそんな山本をそのまま容赦なくそのまま地面へと叩きつけた。



「くっそーまたかよ!」

「山本は膝を着いたな。ヒバリの勝ちだぞ」

「大丈夫か!?」

「ん。あー、オレは大丈夫なのな」

「…………」



心配して声をかけた葵に山本はニッと笑いかけた。
そんな様子を見て雲雀はこころなしか不機嫌な表情を浮べる。



「山本もやられたー!(ヒバリさん怖ぇー…)」

「次はツナだぞ」



リボーンの言葉に視線が一斉にツナに集まる。
もともと強くない上に山本のようにトレーニングをしたわけでもなかったため、強くなってないから無理だと拒否するが、リボーンはそんなツナから発せられた言葉を否定する。

口には出さないものの、リボーンはツナはやる時にやる男だと信頼しているのだ。


「え?」

「さっさと暴れて来い」



ニッと得意げな笑みを浮かべ、ツナの制止を待つことなく死ぬ気弾が額に打ち込まれた。



「復活!!!死ぬ気でヒバリを倒す!!!」





prevnext

back

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -