◎ 標的13 山本トレーニング(2/4)
場所は変わって沢田家。
大きなあくびを漏らしながらツナは1階へ向かうと朝早くから誰かと電話する奈々の姿があった。
「はい、はい。そうねー…あ!ツー君を今からそっちに向かわせるから待っててね!」
ツナは首をかしげていると受話器を置いた奈々に山本の家にいる、リボーンと葵を迎えに行って欲しいと頼まれる。
そういえば…朝、いつもなら葵が起こしてくれるのだが今日は母さんが起こしてくれたなと思い出す。
ツナは二つ返事で玄関に向かい、2人を迎えに行くことに。
「いってきます」
「いってらっしゃ……あら?」
奈々はツナの格好に首をかしげた。
「あの子……なんで制服着てるのかしら?」
◇
「んー!山本の家の寿司美味しい!」
「あはは。葵、サンキューな!」
場所はまた変わって山本の家でもある竹寿司に。
リボーンと葵は山本の父、剛に握ってもらっていたお寿司を食べていた。
本場の握り寿司が食べたいと思っていた葵は剛の握った寿司に感動し、美味しい美味しいと幸せそうに食べていた。
そんな葵にその場にいた山本親子は笑い、リボーンも小さく笑みを浮かべていた。
「本当に葵君は美味しそうに食べるな〜こっちも握ったかいがあるってもんよ!」
「山本のお父さんのお寿司が美味しいからですよ!」
「嬉しいこと言ってくれるね〜じゃんじゃん握るからたくさん食べていってくれな」
「そうそう。葵も小僧も遠慮はいらねーからな」
「遠慮なくいただくぞ」
「ありがとう!」
無邪気に笑う葵に一瞬目を奪われていた山本ははっとするといつものようにニカッと笑った。
すると竹寿司の扉が勢いよく開き、ツナが飛びこんできた。
ツナは山本に朝からごめんと謝るがそれとは対照的に剛はいらっしゃいと山本の友達としてツナのことを快く迎えていた。
「(山本とお父さんって似てるな…笑ったとことかそっくりだ)」
「ん?どうした、葵君?」
「いえ、なんでもないです」
「ったく〜…!寿司までごちそうになっちゃってごめんね」
困ったように眉を八の字にしながらツナが謝る。
葵はツナの言葉に自分がたくさんの寿司を頬張っていることに気がつくと、恥ずかしそうに口を抑えて頬を赤らめた。
「(やばい……ついつい美味しくて食べすぎてた……!)」
「!」
「(何そのリアクション……!?そんなの怒ろうにも怒れないよ……!)」
「おい、お前ら。顔があけーぞ」
ツナと山本はリボーンから指摘をされて更に顔が赤くなっていく。
「あ、そうだ。小僧は今日、俺の為に来てくれたみたいだぜ?」
「え?」
「そーだぞ。伸び悩んでる山本をパワーアップしてやろうと思ってな」
「なっ!?」
いつものパターンで行けば、リボーンからの提案でまともなものは数少なく……嵐の予感と思っていたら案の定、野球とは違うトレーニングをするらしい。
そんなリボーンにガーンとなっていると、剛はツナと山本が着ている制服を見ながら不思議そうに訪ねる。
「武とツナ君は補習でもあるのか?」
「そういえば……2人ともどうして制服着てるんだ?」
「「……え?」」
やれやれと言わんばかりにリボーンはプリントを2人につきつける。
そこには今日は並中の開校記念日で学校は休みだと記されていた。
そういえばHRでもそんなこと言ってたっけと思い出すと2人は恥ずかしそうに目を丸くした。
そんな2人を見て葵と剛は笑った。
「なっ!!(わ〜、恥ずかしすぎる!)」
「ま、まあともかく。今日は小僧にトレーナー任すからな!(忘れてたのな…)」
「ふふっ(ツナと山本もどことなく似てるところあるよな〜)」
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