明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 標的09 星の王子(3/3)




「……へ?」



フゥ太からの意外な結果に一同は目を丸くして驚きを隠せない。
先程までフゥ太に集まっていた視線は、自然と葵に向けられていく。
すると頬をぽりぽりとかきながら戸惑った表情で葵は苦笑いを浮かべた。



「あはは――オレ、エンツィオが好きだったみたい……」

「……そういえばこの時期鍋美味いよな!スッポン鍋とか特に!」

「や、山本!?」

「今夜はスッポン鍋にすっかな〜なんつって」

「(エンツィオが食われるーー!!)」

「ハルはとんだ伏兵に負けました…!ハルのハートはこの空と同じ大雨です……」

「やっぱり降り出したのか…」



窓を見ると灰色の空からは冷たい雫が落ちてきていて、並盛町を濡らした。
するとそれをフゥ太が聞くと、急にランキングモードが解除され辺りのものがバサッと地面に落ちる。

フゥ太はツナのベッドに寝転ぶと顔をクシャリとしかめており、そんな様子を心配して葵は駆け寄った。



「どうした?大丈夫か?」

「たるい…僕、雨に弱いんだ雨なんか嫌いだよ。ランキングの能力がデタラメになっちゃうし…」

「じゃあ、さっきのランキングは?」

「全部デタラメだよ…きっと…」



フゥ太の言葉を聞いた皆はほっと肩を撫で下ろす。
先程までスッポン鍋を食べたいと言っていた山本も前言撤回し、そんな様子にツナは白目を向きながら笑った。

そしてどうやら獄寺のランキングをしている時から雨は降っていたらしく、結果が出デタラメだと確信した獄寺は嬉しそうに笑っていた。



「雨が降ると能力が乱れるのは、ランキング星との交信が乱れるからって説があるんだ」

「もー説は良いって……」



ツナはリボーンからの言葉を聞くとはーっとため息を吐く。
だがリボーンはニッと笑うと少し面白そうにこう言う。



「でも葵のランキングがデタラメで良かったな。ハルも男共も」

「はひ?」

「んん?」

「「「…………」」」



どこか顔が熱かったのは気のせいだ……と3人は自分に言い聞かせていた。





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