明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 標的08 お正月(5/5)



その後、百人一首、福笑い、すごろく、たこあげと勝負は続いたが…結果はツナ達ボンゴレファミリーの連敗でキャバッローネとの点差は開くばかり。
どうあがいても巻き返しは不可能と察したツナは人生が借金地獄だーっ!と頭を抱えながら嘆いていた。



「つ、ツナ!もしかしたら一発逆転できるかもしれないから諦めず頑張ろう!」



しんみりとした雰囲気がボンゴレ側に流れかけたとき、なんとか盛り上げようと健気に頑張る葵の姿を見てディーノはやれやれと小さく笑みを零すとリボーンに提案を持ちかけた。



「考えてみたらちょっとシビアすぎるな…。大人対子供だ、少しハンデやってもいいぜ」

「本当!?」

「ああ。可愛い弟分とそのファミリーのためだ」

「ディーノさんありがとう!!」

「別に気にすんなって(本当に嬉しそうに笑うなー…)」



ニッと笑う葵を直視できなくなったディーノは頬を赤らめながら顔を背ける。
提案を受けたリボーンもあっさり承諾するとこう言った。



「かったりーから次で勝った方が優勝な。そのかわり負けたら10億払えよ」

「10億ってさっきより増えてるじゃねーかっ!!」



ますます負けた時のリスクが増えていることにツナはもう反論。
だが、リボーンの性格を知っている葵とディーノは言い出したら聞かないとなんとかツナを落ち着かせる。

最後の勝負はファミリー全員参加でリボーンに美味しいあんころ餅を食べさせた方の勝ちというシンプルな料理対決だった。



「よーし!美味しいあんころ餅作らないとな!」

「そーだぞ!10代目。ここで一発大逆転といきましょう!」

「で、でも……」



腕まくりをしてやる気満々の葵と獄寺とは裏腹に不安を募らせながらツナはディーノ達に視線をやる。



「ボス…何スか、このハンマーは?」

「さーな?もちは食ったことあんだけど…」

「あれ?」

「ツナ、大丈夫だよ。ディーノさん達はイタリア育ちで餅は作ったことないから作り方は知らないと思うから」



そう言って葵は得意げに笑う。
確かに臼や杵を初めて見るのか、物珍しそうに観察しつつ、ファミリー全員で使い方を模索していた。
そんな様子にツナにも少し希望が見えてきた。

京子やハルはあんころ餅で使うあんこを作り、
山本と獄寺が杵と臼を使い餅をつく。
そしてその様子が見えないようにランボとイーピンが布で隠し、その様子を先程まで落ち込んでいた了平が復活したのか力強く応援していた。

みんなが協力している姿にツナははっとする。



「(勝てるかも…これなら…!!)」



数十分後、両チームはあんころ餅を完成させ重箱に盛り付けをし、後はリボーンが食べて判定するのみとなった。
まずはキャバッローネから。



「とりあえずつくってはみたが…オレ達の知識じゃあこれが限界だ」



自信なさそうにディーノは重箱に入った歪な形をしたあんころ餅をリボーンに差し出す。
それを口にしたリボーンはまずいなと一言。
その言葉を聞いたディーノは悔しそうな表情を浮かべた。



「ちえっ」



その様子をみたツナは勝利を確信したのか、借金地獄回避だと喜びを隠せない。
そしてツナ達の番になり、あんころ餅の入った重箱の蓋をあけるとそこに入っていたのは美味しそうなあんころ餅、ではなくーー



「ぽっ、ポイズンクッキングーーーーっ!!?」

「まさか…!」



ポイズンクッキングを知っている面々が恐る恐る振り返るとそこには着物身に纏ったビアンキの姿があった。
そんなビアンキを見るや否や、獄寺は腹痛に襲われ、泡を吹いて倒れてしまった。



「そんなモン食えるわけ無いだろ!!」

「どーしてそうなるのよ。料理は愛よ。愛があれば毒くらい中和されるわよ。どうぞ、リボーン。葵」

「あれ、オレも…?」

「(葵の顔真っ青だーーっ!!?リボーンは……かつて無いほど寝たーーーっ!!!?)」



絶対に食べんと言わんばかりにリボーンは鼻ちょうちんを3つも膨らませて立ったまま眠っていた。
葵もビアンキを上手いこと説得したらしく、難を逃れたらしい。



「確かに葵がぶくぶく太るのも嫌だわ……」

「う、うん。気持ちだけ受け取っとくね」

「それなら仕方ないわね……ならーーあなた達で確かめなさい」



ビアンキの矛先はツナとディーノに向けられ、ポイズンクッキングの入った重箱を2人に差し出す。
だが、食べれば死ぬと知っているポイズンクッキングを解すべく、2人は逃走を図った。

結局、ボンゴレ式ファミリー対こう正月合戦はボンゴレファミリーとキャバッローネファミリー両ボスの逃亡により結果はつかなかったとか。





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