明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 標的08 お正月(3/5)



あれから少しだけツナと話し、それぞれの部屋に帰って眠った。
それからしばらくして葵は目を覚ます。
新年初めての朝。小鳥のさえずりが聞こえてきて良い朝だと思いながらベッドのそばに置いていた時計を手に取り時間を確認する。



「……11時…?」



時間を確認するや否やガバッと起き上がる。



「ね、寝過ごした……」



いくら寝るのが遅かったとはいえ、昼近くまで寝ていたことに焦りつつ、慌ててベッドから飛び降りると服を着替えて下へと向かう。
すると玄関でツナが誰かと話しており、気になった葵は近づいた。



「ツナー。誰と話して……あ!」

「葵君!あけましておめでとう」

「おう!今年もよろしくな!」

「京子ちゃんに笹川さん!あけましておめでとうございます」

「あ、葵。(こんな時間に起きるなんて珍しいな…昨日遅かったし仕方ないか)」



すると笹川兄妹に続いて、獄寺、山本、ハルの3人がやってくる。
それぞれと新年の挨拶を交わしていると部下を引き連れたディーノがやってきて、殿様のような格好をしているリボーンも姿を現した。
新年早々、どの家も挨拶回りなどで忙しいはずなのに自分の家に何の招集もなく集まるのはおかしいと察したツナはリボーンに尋ねる。



「お前、何かしたか?」



するとリボーンは辺りを見渡し、口角を吊り上げ言った。



「よし、そろったな。今日はボンゴレ式マフィア対抗正月合戦なんだぞ」

「なんだよそれ!!オレは聞いてないぞ、そんなの!!」



突然のリボーンの発言にツナはガーンと驚きを隠せずにいた。

“ボンゴレ式ファミリー対抗正月合戦“とは、同名ファミリー同士が戦い、その年のファミリーの意気込みを表明するボンゴレの年始行事のこと。
正月合戦は、各ファミリーの代表がしょうがつにちなんだ種目を競い合い、その総得点で勝敗を決める。
そして買ったファミリーには豪華な商品が出るというもの。

葵は思い当たるふしがあるらしく手をポンと叩く。



「ああ、毎年みんなでやってるあれか…!」

「葵は毎年参加してたからな」

「でも、あれはツナたちには無理があるんじゃ…」



苦笑いを浮かべ言葉を詰まらせる葵にツナは不安を隠しきれないまま聞いた。



「え?ただのゲームじゃないの?」

「まあ、なんたってボンゴレ式だから、さ」

「そーだぞ。負けたファミリーは罰金1億円だ」

「無茶苦茶すぎるだろーーーーっ!!!」

「しかたないよ、掟だもん」

「その口調ムカつくぞ!!」



そんなリボーンにツナは青筋を浮かべた。

新年初めての行事は、自分たちの一生がかかると言っても過言ではないほどの大きなリスクがあるものだった。



「んなバカなーーーーっ!!!」





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