明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 夏祭り(4/5)



そしてバナナあと一箱で完売に。



「これなら花火は余裕で間に合うぞ!」

「ワリーんだけどさあ、5分ほどはずしていいか?」

「山本何か用事でもあるのか?」

「毎年屋台のボールの的当てしてんだけど、それやんねーと祭り来たって感じがしなくてさ」

「(この人もきっと屋台泣かせだー!!)」



今は神輿を見に行っているのか人どおりも少なかったため、ツナは山本の頼みを了承した。
すると獄寺もトイレに、リボーンは踊ってくると店から離れていき気づけばツナと葵の二人きりに。
すると葵が道ゆく人のある物を熱心に見ていることにツナは気付く。



「葵…もしかして浴衣気になってる?」

「!え、いや、その〜〜…」



図星だったのかキョロキョロとあたりを見渡したのち、顔を真っ赤にしながら小さく頷く。



「!(男装してるとは言え葵も女の子だもんな)」

「浴衣とか着物とかも可愛いなって思ってて……でも男装もしてるし似合わないか〜あはは…」

「そんなことないよ」

「!」

「葵ならきっと似合うよ。…そうだ!今度ビアンキに頼んで着付けしてもらおうよ!祭りは難しいかもしれないけど、家の中ならみんなにもバレないと思うし」

「ツナ…!……その時は一緒に着付けてもらおうね!」

「ええ!?オレも!」

「もちろん!」



まさか自分までとは思っていなかったツナは困りながらも葵の嬉しそうな顔に負けて分かったと笑った。



「…あ」

「どうしたの?」

「奈々さんからりんご飴買ってきてって頼まれてるの忘れてた…!」

「そういえば母さんりんご飴好きだったなー。オレ店いるから買ってきたら?ついでに他の屋台も少し回っておいでよ」

「でもツナ一人になっちゃうし……」

「オレは大丈夫!もうすぐ獄寺君も戻ってくると思うし、それに早くしないと神輿が終わるからまた混みだすかも」

「確かに…」



ごめんと謝りつつ、ツナに甘えて葵はりんご飴を買いに向かった。

道の橋にはたくさんの屋台が並んでおり、その間をたくさんの人々が行き交う並盛神社はなんだかいつもと違う様相で自然とテンションが上がっていく。
お目当てのりんご飴を買い終わるとあるものが目に止まる。



「(あのお店の手つきすごい…!)」



それは人形焼きの屋台で、おじさんは手慣れた様子で人形焼きを作っていく様子に思わず見惚れているとそれに気づいたおじさんがニッと笑いながら食うか?と一つ人形焼きを葵に差し出す。



「ありがとうございます!」

「おう!」

「美味しい…!!」

「あはは。そう言ってもらえると嬉しいね〜」



美味しそうに食べた葵を見ておじさんも嬉しくなって笑顔が溢れる。
よく見ると人形焼きのキャラクターはランボたちがよく見ているアニメのキャラクターでみんなも喜ぶかと思い葵は買うことに決めた。

ツナには寄り道しても良いと言われていたが、もともとりんご飴を買ったらすぐに戻ろうと思っていたツナは急いで人混みの中を進んでいく。



「ごめん!ちょっと寄り道してーーー」



屋台に帰ってみるとツナどころか誰もおらず思わず首を傾げる。
だが、そんな間も無く神輿が終わって人が流れてきたのか少しずつ人通りも多くなってきたかと思うとチョコバナナを買いに来るお客さんも増え始めていた。



「チョコバナナ2本ください」

「はい!2本で800円です」

「じゃあ1000円で」



金庫からお釣りをだそうとするがどこにも見当たらず思わず冷や汗が流れる。
だが違和感を感じた葵は一度落ち着いて状況を把握することに。


屋台にない金庫。
戻ってこないツナ達。
そして…射的屋のおじさんが言っていた流行りのひったくり犯。



「(もしかして盗まれた金庫をツナ達が探して――!)」

「すみませーん。こっちもいいですかー?」

「!(ダメだ!せっかくお客さんが来てくれてるんだから集中集中――!)」



あくまで仮定でしかないけど、本当にツナ達がひったくり犯を探しているなら――みんなならきっと見つけてくれるはず。
ならば残された自分がやるべきことは…



「(残った一箱分を全部売りきること!!)」





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