明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 夏祭り(2/5)



獄寺は突然の二人の来店に驚きを隠せずにいた反面、山本はいらっしゃいと笑顔で2二人を迎える。

そうこうしているとリボーンも現れて、そんなリボーンの説明によると葵の知らないところで町内会の何かを三人が壊してしまったらしくその修理代を稼ぐために屋台を出しているとのこと。



「目標は500本です。がんばりましょう、10代目!!」

「オレらもーーっ!!!?」

「…………」



話を聞いてポカンしていた葵はハッとすると目をキラキラさせながら嬉しそうに言った。



「オレ日本の夏祭りの屋台で働いてみたかったんだ!!」

「ええーー!?(想像以上にノリノリーーっ!!)」

「おっ。なら葵も一緒にやろーぜ!大人数でやった方が楽しいしな!」

「やった!!」



せっかく葵と花火が見れると思っていたのにも落ち込んでいるツナに追い打ちをかけるようにリボーンは困ったように笑いながらある紙を押し付ける。



「あちゃー…請求書はツナあてになってるぞ」

「どーせおまえがしたんだろ!!」

「ったく…ムカつきますよね。山本のせいなのに」

「わりーな」

「まあまあ、大丈夫だって!頑張ってみんなでチョコバナナ売ろーう!」



無邪気に笑う葵に周りのみんなも釣られたのか笑顔がこぼれて穏やかな雰囲気に包まれる。
乗り気じゃなかったツナもこれはこれで屋台なんて滅多にできるものでは無いし良い思い出になるかと手伝うことに。



「あれは!」

「関わらない方がいいわ!」



すると周りの屋台をやっている人達がざわざわと慌て始める。



「お前らもショバ代用意しとけよ」

「ショバ代!?」

「ここらを取り締まってる連中に金を払うのが並盛の伝統らしいっス。ここはスジを通して払うつもりっス」

「(もしかして裏社会覗いちゃってる?)」



ざっと足音が聞こえてきて、来たと振り返るとそこにはよく知る人物が――



「5万」

「ヒバリさんー!!?」

「てめーー何しに来やがった!」

「まさか」

「ショバ代って――」

「風紀委員にーーー!?」

「活動費だよ」



払えないなら屋台を潰すと続けた言葉の通り、恐らくショバ代を払えなかったであろう屋台が風紀委員によって蹴られ殴られでボロボロにされていた。

これは払わざるを得ないと思っているとバチッと葵はヒバリと目が合う。



「そんなとこで何してるの」

「チョコバナナ売ってるんです!ヒバリさんも1本どうですか?」

「おい!テメー何やってんだ!!」

「…………」



ニッと笑いながら葵がチョコバナナを差し出すと少し考えた後、雲雀はそのままチョコバナナにかぶりつく。

意外な行動にツナたち三人は思わず目を見開いた。
葵は雲雀の様子を伺いながらどうですか?と尋ねると雲雀は小さく笑いながら一言。



「甘い」

「そりゃチョコバナナですから」

「飲み物欲しいんだけど」

「あー…うちには置いてなくて――」

「じゃあ買いに行くよ」

「!」



そのままぐいっと葵の腕をひく様子を見て慌ててツナは止めに入る。



「ままま、待ってください!!(せっかく一緒にいれると思ってたのに葵連れてかれちゃったら元も子もないよーー!!)」

「何」

「テメーらショバ代回収しに来たんだろ!くれてやる!ついでにさっきの代金もいらねーからとっとと失せろ!!!」

「…………」



少し不機嫌そうに口を曲げるが、獄寺から受け取ったショバ代を確認して確かにと一言告げるとその場を離れていった。
そんな雲雀を見送りながら葵はニコニコと笑う。



「ヒバリもチョコバナナ好きなんだな〜」

「だな〜!」

「いや、それだけじゃないような――」

「(完全にお前狙いだろ……)」





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