明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 キャンプ(3/4)



「葵君達遅いね」

「はひー…大丈夫でしょうか」



キャンプ地に残った京子やハルたちはテントの設営など全て完了し、後はご飯の準備をするのみとなっていたが肝心の食料調達に行っている葵達が一向に戻って来ず心配の色を浮かべる。

ランボやイーピンも流石にお腹が空いたのか少し駄々をこね始めてしまうちょうどそのタイミングだった。
遠くから2つの人影が見えたかと思うと川で魚を調達していた葵と山本の姿が。
2人の持つバケツには大量の川魚が入っており、まさに大漁。



「みんな遅くなってごめんね」

「最初1人1匹で考えてたんだけど葵とつい燃えちまってな」

「うわ〜魚大量だね!葵兄、武兄すごい!」

「お前らやるじゃねーか」

「これは腕によりをかけて料理しなくちゃいけないわね」

「はい!ビアンキさん!」

「あ、ツナくん達も帰ってきたみたい」



京子の言葉の通りツナ、獄寺、ディーノが畑で取ったであろう野菜を抱えて帰ってきた。
やはり畑までかなり距離があったらしく3人ともくたくたになっておりキャンプ地に着くや否や地面に倒れ込んだ。

とにもかくにも食材が無事に集まったというのもあり、ビアンキを初めて女子チームが晩ご飯の準備を初めていく。



「えー肉ないのー?ランボさん肉食べたいもんね!」

「確かにせっかくキャンプに来たならBBQとかしたいよな。せっかく網もあるし…リボーン。肉の用意はないよな?」

「あるぞ」

「(なんだか嫌な予感…)」

「せっかくのファミリー揃ってのキャンプだからな」



ツナの嫌な予感は的中し、リボーンがスーパーで売っているような精肉を出してくるはずもなく――



「国産牛一頭まるまる用意しといたぞ」



突然現れた肉付きの良い一頭の牛に一同は言葉を失う。



「一頭まるまるの意味違う!!?」

「食べたければ捕まえてみろ。ちなみに――」

「おい!こっちに来るぞ!!?」

「結構な凶暴らしいから気をつけろよ」



紐で繋がれていない牛は周りにいたみんな目掛けて突進していく。
すると今まで無差別に襲っていたにもかかわらずツナを見るや否や、狙いをツナだけに絞り追いかけ回していく。



「ツナ!!」

「10代目!今助けます!」

「獄寺、せっかくの食料を消し炭にするつもりか?」

「しかし、このままでは10代目が…!」

「ひいいい!!助けてーーっ!!?」



素手で止められるか少し自信はないもののツナを助けるべく葵が1歩踏み出そうとした時、それを阻止するようにリボーンは葵の前に立ちはだかる。
そして大丈夫だと言わんばかりにニッと笑うと拳銃を取り出しツナへと照準を合わせる。



「部下にいいとこ見せてやれ、ツナ」



額を撃ち抜かれてツナはバタリと倒れるが、その直後額に死ぬ気の炎が宿り、着ている服は裂けながらものすごい勢いで起き上がる。



「復活!死ぬ気でこいつを止める!!!」

「確かに死ぬ気モードのツナなら――!」

「うおおおお!!!」



今まで逃げていたのとはうって変わり、ツナは牛の方へ振り返ると正面から角をつかみ受け止めていく。
そして完全に牛を静止したかと思うと角を掴んで持ち上げるとそのまま後ろ向きに投げ飛ばし、牛は気絶しピクリと動かなくなった。



「肉ゲットだな」





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