明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 キャンプ(2/4)



「げ、現地調達ですか?」

「ああ。こいつらが頑張って調達してくるからオレたちはテントの設営をしておくぞ」

「んな!?」



そう言いながらリボーンはツナ、獄寺、山本、ディーノを指名する。
ディーノもまさか自分がツナ達側になるとは思っていなかったのか目を丸く見開きながら驚いていた。



「おい!オレもかよ、リボーン!」

「ちなみにロマーリオ達はテント設営手伝ってもらうからお前一人だぞ」

「んな!?」

「あはは。現地調達って新しいな〜」

「10代目!キノコの本持ってきてるので、食用かどうかの見分けは任せてください!」

「(先行き不安過ぎるよ〜〜!!)」


「あれ?オレは――」

「葵はどっちでも良いぞ。お前は十分鍛えられているから今回は無理にやらなくても大丈夫だ」

「(せめて葵がいてくれれば…!!)」

「(ツナから視線を感じる…!まあ心配だし…)なら、オレは食料調達の方手伝うよ。気ぃ遣ってくれてありがとう、リボーン」



残った組に見送られながら葵達は食料調達へと向かっていく。
ディーノの話によると山の中には川が流れていたり、畑があり、そこの所有権はボンゴレが持っているため、時期ボスのツナがいるのであれば好きに使ったり持っていったりしても良いとのこと。



「(ボスになる気は無いけど今回は助かった…)」

「まず畑に行って野菜取ってくるか」

「だな。んでそれが終わったら川で魚釣りでもすっか。釣竿あったっけ?」

「時間もあんまりねーし手分けした方が効率良いだろ」

「確かに獄寺の言う通りだな。別れてさくっと終わらせちまうか」



じゃんけんをしてツナ、獄寺、ディーノが野菜収穫班に、葵、山本は川釣班に別れた。
各々準備を始めようとした時にディーノが言いにくそうに口を開く。



「ただここからだと畑がむちゃくちゃ遠いんだよな…」

「遠いって…どこにあるんですか?」



ディーノはもうひとつの小高い1つ山を指さしながらため息を吐いた。
同じ山の中にあるかと思いきや、もう1つの違う山に畑がある事を知ったツナと獄寺の顔がどんどん真っ青になっていく。

すると突然上から声が聞こえてきたかと思い見上げるとそこにターザンのコスプレをしたリボーンがおり、木から伸びているツタにぶら下がるとツナめがけて突っ込みながら言った。



「働かざる者食うべからずだぞ」

「あだっ!!?」

「10代目!?」

「ほらお前らもぼさっとしてねーで早く行ってこい。夕飯までには間に合わせねーとみんな腹ぺこのままだぞ」

「それは確かに困るな…」

「そういえばビアンキが念の為に弁当作ってきたって言ってたな」

「「「…………」」」



ビアンキの料理=ポイズンクッキング

その方程式が3人の頭で出来上がるやいなや急いで畑へと駆け出して行った。
その様子を葵と山本は見守りつつ無理するなよーと声をかけた。



「やっとエンジンかかったな。お前らは川に行くのか?」

「うん。魚でも釣ろうかと」

「釣り、な――」

「?どうした、リボーン」

「ちなみに釣竿は持ってきてないから頑張れよ」

「「え」」



ボンゴレ式キャンプはまだ始まったばかり――







リボーンの言葉通り釣竿は用意されておらず魚を捕まえた時に入れておくバケツを持って川へと向かった。
川はそこまで距離があるわけではなくすぐに着いたのだが、2人は並盛の川とは比べ物にならないほど透明さに思わず目を見開く。
それもあって魚が泳いでいる様子が目視できるほどだった。



「これなら手づかみで行けるかもだな」

「山本やったことあるのか?」

「ああ。まあ見てろって」



山本はそういうと泳いでいる魚の1匹に当たりをつけると慎重に近づきつつ、岩の下へと追いやっていく。
そしてそこに素早く手を突っ込み、次に手を引き抜く時には魚ががっしりと掴まれていた。

山本は得意げに笑いながらほらなと葵へ見せた。



「山本すごい!」

「ハハッ。とにかく焦らずってのが重要かもな」

「よーし…オレも!」



きょろきょろと魚を探していると山本がとんとんと肩を叩き指を指す。
葵はその先にいる魚をターゲッティングすると先程の山本のように慎重に近づきつつ近くの岩下へと追い込んでいく。
その様子を山本は見守りながらそっと今だと声をかけ、そのタイミングで岩下に突っ込むと魚を掴む。



「やった!」



見事捕まえたと思いきや、つるんと手から魚がすり抜けて逃げていってしまった。



「ああ!?」

「あちゃー。慣れてねーと滑っちまうんだよな。バケツ入れるまでは両手でがっちり掴んどいた方が良いぞ」

「せっかく捕まえたのに――」

「ま、そこまでは完璧だったし次こそ行けるって」



落ち込む葵に山本はそっと頭をぽんぽん撫でながら笑った。
そんな山本の優しさに葵も笑いながらありがとうと一言告げるや否や山本の顔が赤く染り、撫でるのを止めて視線を川へと逸らす。



「さ、さあ。早いとこ取らねーとなー」

「?」

「1人1匹だとして――最低でも15匹くらいはいるな…」

「!日が暮れる前になんとか取りきらないとだな!頑張ろうな、山本」

「おう」





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