◎ ツナトレーニング(4/4)
容赦ない爆弾の投下に次々と生徒たちは倒れていく中、ツナはなんとかそれを避けていく。
その様子に葵達も目を見開いていた。
「10代目流石っス!!」
「その調子だ!しっかり弾道見て避けるんだ!」
「!(もしかしてリボーン…これもトレーニングとか?)」
「……」
始める前に言っていたように体を動かす全ての根源はなんといっても体力。
そして、攻撃を避けるにも繰り出すにも必要不可欠となってくる判断力と瞬発力。
体力はジョギングなどで付けることはできるが、他の2つは普段の生活ではなかなか鍛える機会がない。
ましてや、こんな命懸けでやる機会などもっての他だ。
「(もしかしてそこまで考えて……)」
「ふっ」
「(……考えてるんだよな?)」
ツナの慌てふためく姿を見て思わず笑みが零れたリボーンを見ながら葵は苦笑いを浮かべた。
続々とリタイアしていく中、ツナはボロボロになりながらもまだ走っていた。
「(苦しい……もう辞めたい……!)」
…てか、別に辞めても良いじゃん!
確かに爆弾は……痛いかもしれないけど……。
こんな苦しい思いしてまでやることでも無いじゃん。
なら、さっさと終わらせてみんなで昼ごはん食べて――
「!」
その時、ふと葵の顔が目に入って、一緒に朝走ったことを思い出す。
オレが暗殺されそうになって、葵が捕まったあの日から葵がトレーニングするって言ってジョギング始めたんだっけ?
初めはやるつもりなかったけど…オレも葵が捕まった時、手も足も出なかった。
それが嫌で――そんな自分が嫌で、変わりたいと思って一緒にトレーニングすることにしたんだっけな。
最初はしんどかったな……。
「(ちょうどこんな風に……)」
だけど、葵と走れるのが嬉しくて。
しかも最後まで走りきると一緒になって喜んでくれるのがまた嬉しくて……。
「!」
「……っ」
オレがこれ完走したらまた一緒に喜んでくれるのかな。
「(次でラスト――!)」
「ツナー!頑張れー!!」
「10代目ー!!」
「ツナー!!」
みんなの声援が胸にツナはラストスパートをかける。
ゴールまで後もう少しでツナの表情も綻びかけた時だった。
ガッ
「「「!!」」」
「うそーー!?」
自分の足に引っかかり派手に転んでしまう。
するとその瞬間100回を告げる音楽が鳴り響き、リボーンからの冷酷な一言。
「時間切れだぞ。残念だったな」
「んなーー!!?」
ツナの悲鳴と共に大きな爆発音が体育館に響いた。
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