「シャドウパラディン?」


初めて聞いたかのような櫂の反応に、言葉を失うしかなかった。唐突に変化した世界は僕を置き去りにした。今まで使用していたクランはみんなの記憶から消え去り、僕はゴールドパラディンを所持していたことになっていたのだ。だから櫂ならば、と一縷の望みを掛けて彼を呼び出した。それなのにまさか櫂も記憶を改竄されていたなんて。くらりと立ちくらみを起こしそうになり、櫂の身体に凭れ掛かった。大丈夫か、と不安そうに聞いてくる声は以前と異なり温かい。それに何故か不安を覚えて、さらなる質問をした。


「櫂、PSYクオリアを覚えていますか?」
「……?何だそれは?」


首を傾げた櫂を見て更なる絶望に叩き落された気がした。ならば全国大会の決勝戦で先導アイチに敗北したことは、それ以前にPSYクオリアに飲まれて君を傷付けたことは、一体どうなっているのだろう。櫂との思い出が真っ白になる恐怖に身体が震えた。許さない。記憶の中に微かに見えた少年に、今までにない憎悪を覚えた。


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80話視聴前

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